嫌われる勇気の徹底解説⑩人間の価値と勇気の話◇褒める叱るは見下す行為

    今日のテーマ

    自分には価値があると思えるか

    目次

    第四夜・勇気

    さぁ、今日のテーマは「勇気」よ。

    「人間の価値」という問題を考える、とても重要な回になるわ。

    人間の価値?
    それは勇気と関係あるのか?

    もちろんよ。
    アドラーはこう言ってるわ。

    人は、自分には価値があると思えたときにだけ、勇気を持てる。

    逆に言えば、自分には価値が無いなんて思ってしまえば、前向きに生きる勇気なんて持ち得ないってことね。

    ふぅん。
    価値と勇気は直結してるんだな‥‥

    アドラー心理学では、勇気ってすごい大事だよな。

    トラウマを克服したり、性格を変えたり、人生の課題に立ち向かったり。

    すべての行動に勇気が必要なんだろ?

    そうね。勇気を持ってる人は、人生を前向きに捉えて、目標に向かい行動し続ける。

    勇気がくじかれた人は、いわば心が折れた状態になって、人生を後ろ向きに捉えて立ち止まってしまう。

    自分に価値があるって思えれば、勇気を持つことが出来て、前向きに生きて行けるってことだな?

    そう、その通りよ。
    勇気がくじかれてるなら、勇気を補充して、問題に立ち向かわないといけないわ。

    ふむ、じゃあどうやったら自分には価値があるって思えるようになるんだ?

    それはこれから解説していくわね。
    人間の価値と勇気の話。
    最後まで聞いて欲しいわ。

    承認欲求に流されない

    魔理沙はどんな時に、自分には価値があるって感じられる?

    んんん?? そうだな‥‥

    目標とする先輩に褒められた時かな。
    すごく嬉しくなって、その時のことを何回も思い出したりするぜ。

    褒められると価値を実感するのね。
    逆に「自分には価値が無い」って思う状況ってある?

    ‥‥価値が無い‥‥ ああ、ボーナスが減ったときに感じたかな。

    評価が2段階も下がって、収入と一緒に自分の価値も下がった気がしたぜ。

    なるほどね。
    褒められたり、認められたりしたら自分の価値を実感できて、その逆だと価値が下がったと感じる‥‥

    んん??
    こんな話、 前にもしてるな。
    承認欲求の回だったか。

    うん、よく覚えててくれたわ。

    他人に好かれたい、褒められたい、認められたい‥‥

    そんなふうに、 他人に良く思われたい気持ちを「承認欲求」と呼ぶわね。

    第七回で解説したんだけど、その時に承認欲求の弱点も伝えたはずね?

    覚えてるぜ。
    たしか自由を邪魔するんだったな。

    他人に気に入られることばかりを求めていると、他人の価値観に合わせないといけなくなる。

    当然、 自分の行動も他人に合わせたものになってしまう。

    そう。 承認欲求は不自由を生むわ。

    「褒められたい」と願うなら、褒められるような行動しかとれなくなる。

    「評価を下げたくない」と願うなら、評価されそうなことしかしなくなる。

    たしかにな。わたしも先輩を崇拝しすぎたら、自分を見失うんだな。

    会社の価値観に依存するのも同様ね。

    会社が人生のすべてになってしまったら、肩書が消えた瞬間に、自分の人生も消えてしまうわ。

    だから、アドラー心理学では承認欲求を否定するんだったな。

    そう。不自由を生むし、他人との間に縦の関係を築いちゃう元凶だからね。

    それは初めて聞く用語だな。
    縦の関係?

    “縦の関係”は
    他人を差別する生き方

    そう。 他人との関係を「縦」で捉える生き方ね。

    イマイチよくわからないぜ。
    具体的にどんな生き方なんだ?

    ひとことで表すなら、
    他人を「評価する」生き方よ。

    相手が自分より上か下かを判断して、その評価によって態度を変える。

    上とか下とか気にするから縦の関係ってわけね。

    ‥‥自分より上の人間か、自分より下の人間か、その判断によって態度を変える‥‥

    世の中のほとんどの人は、縦の関係で生きているわ。

    自分と他人と、どちらが上なのか?
    自分より上の人からの評価はどうか?

    そんな視点で「自分の価値」をはかってしまうの。

    ‥‥わたしが先輩から褒められて嬉しいのも、縦の関係で生きてるからって言いたいんだな?

    そうね。 魔理沙が褒められることを喜ぶとしたら、それは先輩が自分より上だと評価したからよ。

    多分だけど、褒められても全く嬉しくない先輩だっているんじゃない?

    ああ、褒められてうっとおしく感じる先輩もいるぜ。

    先輩面されるのがムカつくんだ。

    褒めるという行為には、
    能力のある人が
    能力のない人に下す評価

    という側面があるわ。

    つまり、褒めるというのは、相手を見下す行為なのよ。

    魔理沙がうっとおしく感じたのは、たいしたことないと思ってる先輩から見下されたからだわ。

    褒めるとは見下すことだって?

    そう。 叱るのも同じね。
    褒める叱るは見下す行為。
    だからアドラー心理学では否定する。

    ‥‥褒めるのも叱るのも同じ‥‥
    よくわからんぜ。

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    褒めてはいけない
    叱ってもいけない

    「褒める・叱る」 この2つはどちらも、相手を自分好みに操作しようとする、とても身勝手な行為なのよ。

    相手が自分より下だと思って見下すから、相手の行動を正したくなるの。

    相手を自分と対等な人間だと敬っていたら、相手の価値観を尊重して、褒める叱るなんて出来ないはずなのよ。

    わたしは人を褒める時に、見下してるつもりなんてないんだぜ。

    たとえば小さい子どもが背伸びして、自販機でジュースを買ってきたらなんて言う?

    「ひとりで買って来れるんだな、えらいぜ」って言うな。

    友達が買ってきても同じことを言う?

    ‥‥友達に「えらい」なんて言ったら怒られそうだな。バカにするなって。

    そこは素直に「ありがとう」だぜ。

    そうよね。 褒める言葉の裏には、お前はわたしより下だっていうメッセージが隠れてるのよ。

    当然、叱るのも同じよ。

    自分より下だと評価して、見下してるから叱れるの。

    自分より上の人は叱らないでしょ?

    そりゃそうだな。
    目上の人に対して褒める叱るは、よっぽどのことがない限り無理だぜ。

    相手の為にやってるように見せかけて、裏では相手を見下して、自分の価値観を押し付けるのが褒める・叱るという行為よ。

    これを繰り返すと、相手は、
    「自分には能力がない」という信念を固めていくわ。

    そして段々と自信を失っていく。

    褒める・叱るは相手を見下す行為であると同時に、相手の勇気をくじく行為でもあるのよ。

    はぁ? 勇気をくじく?
    それは違うだろ。

    褒められたら頑張ろうって思って、逆に勇気をもらえるんだぜ。

    そう思ってしまいがちなんだけどね。

    さっきも言ったけど、褒めるという行為には、能力のある人が、能力のない人に下す評価という側面があるのよ。

    だから、褒められれば褒められるほど、「わたしは能力が下です」と認めてるのと同じなの。

    見下され続けたら、いつの間にか自信を失ってしまうのよ。

    別におかしなことじゃないだろ?
    できる人に見下されたってさ。

    実際、自分の方が下なんだから仕方ないじゃないか。

    それは縦の関係での生き方なのよ。

    そこから抜け出さないと、いつまで経っても自分と他人を比較し続けることになっちゃうわ。

    褒められるのはダメ。
    他人と比べるのもダメ。

    じゃあ一体どうしたら、自分には価値があるなんて思えるようになるんだ?

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    自分には価値があると思うために

    アドラー心理学は、承認欲求縦の関係も認めない。

    こんな状態でどうやって、自分の価値を感じろって言うんだ?

    本の中ではこう書かれているわ。

    人は 「わたしは共同体にとって有益なのだ」と思えたときにこそ、自らの価値を実感できる

    ‥‥共同体にとって有益??

    実感として言い直すならこうよ。

    わたしは誰かの役に立っている
    だから、わたしには生きる価値がある

    ふむ、 なんとなくわかってきたぞ。
    これは「共同体感覚」だな?

    そう、 その通りよ魔理沙。
    前回に詳しく話したわね。

    「共同体の中に自分の居場所がある」という感覚。

    「わたしはここにいてもいいんだ」 と思える感覚。

    それが共同体感覚よ。

    共同体に貢献することで得られる共同体感覚は、そのまま自分の価値に直結するわ。

    ‥‥他人に貢献して、役に立ってるという実感が得られたら、自分には価値があると思える‥‥

    そう、そんな感じ。

    他人から良いと評価されたり、他人より優れていることで感じる価値。

    そんな価値は他人次第なの。

    そんなあやふやな‥‥
    他人次第で、一瞬で消え去るような価値は求めずに、共同体にとって有益であることを求めるのよ。

    主観でいいから、誰にも気づかれなくてもいいから、わたしは他人に貢献できている
    と思えることが大事なの。

    ‥‥うん‥‥ たしかに、他人の役に立つというのもひとつの価値だな。

    他人に縛られず、自分だけで作り上げられる価値でもあるわけか‥‥

    ここでやっと冒頭の言葉に戻れるわ。

    人は、自分には価値があると思えたときにだけ、勇気を持てる

    言い換えるとこうなるわ。

    他人に貢献できれば
    自分の価値を実感できて
    勇気も持つことができる

    他人に貢献か‥‥
    共同体の役に立つ方法は、前回教えてもらったな。

    忘れてたら思い出しておいてね。
    共同体感覚はとても大事だからね。

    勇気を得る方法としては、承認欲求も、縦の関係も否定したら、残る道は共同体感覚しかないんだな。

    そうね。 アドラー心理学では、縦の関係ではなくて、他人と対等に接する横の関係をオススメしてるわ。

     横の関係か‥‥
    「縦」は競争や上下関係。
    「横」は対等ってわけだな。

    競争は敵を作るし、人間関係の中で安心できない。

    共同体のみんなと「仲間」になるには、対等に接しないといけないわ。

    たとえ相手が子どもであってもね。子どもは未熟なだけで下じゃないわ。

    子どもも親と対等なんだよな‥‥
    見下して褒めちゃいけない‥‥

    じゃあ、励ましたり、勇気づけたいと思った時は、どうしたら良いんだ?

    褒めるのではなく、素直に感謝の気持ちを伝えるのよ。

    さっき魔理沙は言ったわね。

    友達がジュースを買ってきてくれたら「ありがとう」って言うって。

    「ありがとう」 という感謝の言葉。
    「うれしい」 という喜びの言葉。
    「助かったよ」 というお礼の言葉。

    素直にこれらの言葉を投げかければ、役に立ったという事実が伝わって、子供は勇気を得ることが出来るはずよ。

    それが承認欲求にも縦の関係にも頼らない、勇気づけの方法になるんだな。

    ‥‥でもな、霊夢。

    他人の役に立つから価値を実感できる
    これってちょっと危険な考え方だぜ。

    共同体の役に立たない人間は、価値が無いってことだろ?

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    人間の価値はゼロベースで考える

    魔理沙するどいわ。ここまでの話だったらそう思っちゃうわよね。

    そうだぜ。
    赤ちゃんや病人や老人は、人間として価値が無いって言いたいのか?

    もちろん違うわよ。
    まわりの人に世話をかける人だって役に立ってるし、当然、価値があるわ。

    んん?? 動けないのにどう役に立ってるっていうんだ?

    本の中ではこう書かれているわ。

    「行為」ではなく
    「存在」のレベルで他者を見よう

    その人が「何をしたか?」ではなく、そこに存在すること、 それ自体に感謝しようってね。

    存在することに感謝?
    そんなこと出来るのか?

    出来るというか、当たり前の話だわ。

    どんなに言う事を聞かない、手のかかる子どもでも、急にいなくなったらって想像したら怖くなるわよ。

    どんなに仲の悪い親でも、事故に遭ったと聞いたら無事を願うでしょう。

    まぁ、そうだろうな。

    ひとがいなくなる。

    これは孤独に近づくということよ。

    徹底的に社会的な生き物である人間にとって、それは重大な出来事だわ。

    ‥‥なるほどな。
    役に立つ行為をしてなくても、そこに存在することに価値がある‥‥

    なんとなくだけどわかるぜ。
    「ひとがいなくなる」
    単純に寂しいって話だよな。

    そうそう。
    シンプルに考えればいいと思うわ。

    いるのが当り前だと思うから、他の誰かと比べて、役に立たないとか、ダメだとか評価をしちゃうのよ。

    評価して、理想像から引き算して、あれが足りないこれが足りないって相手を見る。

    人間の価値を、減点法で考えるのは間違えてるわ。

    ゼロベースで考えれば、存在そのものに感謝できる。

    まずは 「いてくれてありがとう」 から始めればいいのよ。

    今日のまとめ

    長くなってきたしサッとまとめるわ。

    今日のテーマは人間の価値勇気だったけど、理解できた?

    まぁなんとかな。
    まとめるとこんな感じだ。

    他人に貢献できれば、自分の価値を実感できて、勇気も持つことができる。

    褒められたり、他人に勝つことで価値を実感しようとするんじゃなくて、共同体の役に立つことに価値を感じる。

    そうね。 他人の役に立つ実感が得られたら、それはそのまま 共同体感覚につながっていくわ。

    承認欲求や縦の関係に頼ると、不自由な人生になる。

    勇気を得る方法としては、承認欲求も縦の関係も否定したら、残る道は共同体感覚しかないんだな。

    そういうことになるわね。

    主観でいいから、誰にも気づかれなくてもいいから、わたしは他人に貢献できていると思えることが大事なの。

    縦の関係では、他者との競争や、他者からの評価に巻き込まれて、対人関係に安心ができない。

    縦じゃなく横の関係を築ければ、共同体のみんなを「仲間」だと思えるようになる。

    それも大事ね。
    共同体のみんなを「仲間」だと思えていないと、貢献しようなんてなかなか思えないからね。

    なるほど、それもそうだな。
    横の関係は、みんなと仲間になるのに必要で、これも共同体感覚につながるんだな。

    そうそう。
    対人関係の基礎となる考え方よ。

    縦じゃなくて横
    上下じゃなくて対等
    競争より協力

    勇気づけってのも大事だよな。

    褒めるんじゃなくて、感謝の気持ちを伝えればいい。

    相手を見下して褒めてはいけないわ。

    対等な価値を持つ人間として、素直に感謝の気持ちを伝えればいいの。

    「ありがとう」という感謝の言葉。
    「うれしい」という喜びの言葉。
    「助かったよ」というお礼の言葉。

    素直にこれらの言葉を投げかければ、役に立ったという事実が伝わって、子供は勇気を得ることが出来る‥‥

    そして、役に立つってのは、行為だけで考えちゃいけないんだな。

    人間の価値を考えるなら、
    本来なら「存在してること」 それだけで価値がある。

    その通りね。
    人間の価値はゼロベースで考える。
    ゼロ、つまりいない状態から考える。

    シンプルに孤独を怖れればいいのよ。
    ひとがいなくなるのは寂しいってね。

    人間の価値を考える時は「いてくれてありがとう」からスタートするのよ。

    今日のキーワードは、勇気・人間の価値・横の関係・共同体感覚ね。

    関連記事は下に貼っておくわ。

    今日で第四夜は終了で、次回からはいよいよ、最終章・第五夜の解説をスタートするわね。

    次回に進む

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