アドラー心理学㉑仕事で他人の役に立てば、ちょっと幸せになれる

    目次

    今日のテーマ

    今日は『他人に貢献する話』を掘り下げていくわよ。

    他人に貢献して幸せに生きる為の、具体的な行動を教えてくれるんだな?

    そう。前回の続きね。

    他人の役に立つ『貢献』には、3つの段階があるって言ってたんだぜ。

    task

    幸せに生きようと思ったら、避けることの出来ない課題があるわ。

    それがこの、仕事・交友・愛という、3つの課題ね。

    これらがそのまま、他人に貢献する時の3つのレベルになるのよ。

    仕事→交友→愛の順番で、難しくなるんだったな。

    それぞれのレベルで他人に貢献する。

    仕事の課題を乗り越えるには、仕事で他人の役に立たないといけないの。

    交友も、愛も同様だわ。

    仕事が一番レベルが低いんだな。

    レベルが低いって言うとイメージ悪いから、一番単純で、わかりやすいと言っておくわ。

    ふむ‥‥ この3つの貢献の違いを、簡単に教えて欲しいぜ。

    3種類の他者貢献

    3つある他者貢献の違いを、一言で表すとこうなるわ。

    仕事は『わたし』
    交友は『あなた』
    愛は『ふたり』の幸せを追求する。

    ‥‥?
    イマイチよくわからないぜ。

    これからひとつずつ解説していくから大丈夫よ。

    まずは『仕事の課題』からね。

    仕事の課題って、私だったら、会社での仕事を考えればいいのか?

    それはちょっと違うのよ。

    仕事中は『会社』という共同体の一員として行動するけど、

    家に帰ったら『家族』という共同体の一員になるわよね?

    当然そうなるな。

    家族という共同体の一員になったら、家族のために『やるべきこと』があるはずだわ。

    家事をする 子育てをする 家を守る 近所づきあいをする

    会社にいる時とは『やるべきこと』が違ってくるはずよ。

    なるほど。お金を稼ぐだけじゃなくて、家庭でやるべきことも『仕事』と考えるんだな?

    そうなの。やらないと共同体が保てなくなるような事は、すべて仕事だと考えるのよ。

    自分が所属する共同体って、いろんなのがあるよな。

    他人と何か目的を共有する時は、すべて共同体になるわ。

    学校でも会社でも、友達や恋人関係でも。たまたま出会った人でもね。

    そして、それぞれの共同体にやるべきこと、つまり仕事があるわけだな。

    そう。友達と食事をするだけでも仕事は発生するわ。

    場所決め 連絡 運転 雰囲気作り 注文 お会計

    いろんな『仕事』が考えられるわね。

    このような仕事で他人に貢献するのが「仕事の課題に立ち向かう」ってことなのよ。

    ふむ‥‥ 共同体には必ず仕事があって、それをやるのが仕事の課題‥‥

    なんか共同体の為とか、他人の為に頑張るって感じがするんだが、

    仕事の課題って『わたしの幸せ』を追求するんじゃなかったか?

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    わたしの幸せを追求する

    魔理沙は野球が好きだったわね。

    『わたしの幸せ』ってのが何なのか、魔理沙の好きなプロ野球に例えて説明してみるわ。

    いいなそれ。お願いするぜ。

    魔理沙が、プロ野球の選手になったと仮定するわよ。

    自分の利益を最優先に考えたら、魔理沙はどのように行動する?

    急に言われても難しいな。うーん‥‥

    まずクビにならないように、レギュラーに定着する努力をすると思うぜ。

    どんな努力をするのかな。

    そうだな‥‥

    とにかく自分が得意なことで、他の選手に勝てるように努力するぜ。

    なにかしら突出した能力が無いと、試合に出してもらえないからな。

    弱点を克服しようとはしないの?

    もちろんそういう練習もするぜ。

    でも、弱点を無くしたとしても、すべての能力が平均点ではチーム内の競争に勝てないぜ。

    足が速いとか、守備がうまいとか、なんでもいいから、自分が一番になれるような武器が欲しいな。

    もし、チームのみんなが、魔理沙と同じように自分の利益を追求したらどうなると思う?

    みんなが自分の利益を追求‥‥?
    うーん‥‥

    たぶん私の苦手な分野で、一番を目指す人も出てくるだろうな。

    それぞれが得意なことを伸ばして、チームで一番になる努力をすれば、

    最終的にはチーム全体の力が底上げされる気がするぜ。

    わたしもそう思うわ。いろんな分野のスペシャリストが集まったら、監督も選手起用が楽になるはずよ。

    試合中の色んな状況に対応できる。

    そうだと思うぜ。たとえ足が遅くて守備が下手でも、バッティングがすごかったら使い道はあるからな。

    そんな感じで得意なことを伸ばしていって『自分の利益』を追求すれば、

    最終的には『チーム』という共同体の利益にもつながる。

    この考え方を『分業』というのよ。

    なるほど。分業か。

    仕事を分けて、みんながそれぞれ得意なことを受け持つわけだな。

    そうすれば、自分の為の努力だとしても、共同体の役に立てる‥‥

    そういう事ね。

    でも、自分の成績だけじゃなくて、チームワークも大事じゃないか?

    他の選手の弱点をカバーしたり、ホームランを打って目立ちたいけど我慢したりさ。

    おっしゃる通りよ。自分だけじゃなくて、みんなの為になる事を考えるのがチームワークだわ。

    これは次回のテーマだから、今日は話さないでおくわよ。

    ふぅん‥‥ まぁいいぜ。

    たしかに『分業』という考え方をすれば、自分の得意なことで共同体に貢献できるんだぜ。

    分業は、生きる為に必要な『仕事』というものを、みんなで効率的にやろうという考え方よ。

    分業の目的は、共同体の
    利益を追求すること

    プロ野球で言うなら、チームの勝利であったり、ファンを喜ばせる事になるでしょうね。

    勝利が一番重要かもしれないが、一流の素晴らしいプレーが見られたら、

    たとえ負けてしまってもファンは喜ぶぜ。個人成績が凄い選手がいると誇らしいしな。

    自分の利益、つまりわたしの幸せを追求していれば、自然と他人に貢献できるのが仕事の課題なのよ。

    たとえ自分勝手な人で、本人に、共同体への貢献の意識がなくてもね。

    たしかに身勝手な人間でも、とんでもなく優れた能力があればチームの役には立つな。

    仕事で他人に貢献するのは、一番単純で多くの人がやっていることだわ。

    このレベルの貢献は、自分のことしか考えない人でも出来る。

    競争して敵も作るし、給料とか評価とか、見返りも求めてしまうけどね。

    なるほどな。でも仕事の課題だけクリアしても、アドラー心理学が目標とする人にはなれないぜ。

    おっ魔理沙。よく気付いたわね。
    それは『人生の目標』の話ね?

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    仕事だけでは足りない

    魔理沙の指摘どおりだわ。

    仕事で他人に貢献して『仕事の課題』だけ乗り越えても、

    アドラー心理学が目標とする人には決してなれないわね。

    自立もあやしいし、社会との調和や、みんなと仲間になる事も無視して乗り越えちゃう人もいるからね。

    やっぱり『交友・愛』の課題までクリアしないと、人生の目標を達成することはできないんだな。

    「自分には能力がある」という実感。

    これだけは仕事の貢献で、それなりに達成できるけどね。

    それ以外の目標は、仕事の貢献だけでは不十分よ。

    特に『自立すること』は、愛の課題を乗り越えないと達成できないわ。

    へぇ。自立と愛って、あんまり関係ない気がするけどな。

    『愛』の話はまだ早いから、次回以降に解説するわよ。

    今日は、仕事の貢献だけでは、幸せに生きるには不十分だとわかってくれればそれでいいわ。

    了解だぜ。アドラーはちゃんと答えを用意してくれてるだろうしな。

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    今日のまとめ

    そろそろ今日の話をまとめるわよ。

    出てきた話題は大きく分けて3つね。
    他者貢献 人生の課題 人生の目標

    結局は全部、幸せに生きる為のものって感じがするんだが、それで合ってるのかな?

    おおまかな理解としては合ってるわ。
    その路線で話をまとめてみるわね。

    人生の目標は、これが達成できたら幸せに生きられるぞっていう目標ね。

    自立して、社会と調和して暮らせて、自分には能力があると感じていて、
    他人を仲間だと思っている‥‥

    アドラー心理学は、そういう人になって、幸せに生きることを目標にしているのよ。

    この目標を達成するには、人生の課題を乗り越える必要があるんだな。

    task

    仕事・交友・愛という、3つの課題を乗り越えて『人生の目標』に近づいて行くのよ。

    この課題を乗り越えるには、他人に貢献しないといけないんだよな。

    そう。共同体の中で、仕事レベル・交友レベル・愛レベルの貢献をして、それぞれの課題を乗り越えるのよ。

    仕事レベルの貢献は、自分の利益、つまり『わたしの幸せ』を追求することで達成できる。

    『分業』という仕組みのおかげで、得意な分野で活躍すれば、最終的には共同体の利益につながる。

    自分のことだけを考える人でも、他人の役に立てる。

    身勝手な人でも努力したら達成できる課題だから、一番、簡単な課題と言えるんだな。

    そういう事ね。でもこれだけでは人生の目標は達成できないわ。

    交友も頑張らないとね。

    アドラーが言う『仕事』というのは、みんなが思ってるようなものとは違っていたな。

    そうでしょうね。普通『仕事』というと、お金を稼ぐためにする行動だと思われがちだわ。

    でも、そうじゃなかったわよね。

    家に帰ったら『家族』という共同体。学校に行ったら『学校』や『クラス』という共同体の一員になる。

    それぞれの共同体には目的があって、その目的を達成する為には必ず、やるべきことがある。

    そのやるべきことのすべてが『仕事』なんだよな。

    そうね。共同体には必ずやるべきことがあるはずよ。

    やらなかったら共同体は保てない。

    野球に例えるとわかりやすいな。

    それぞれのポジションでやるべきことがあって、誰かがそれをやらないとチームは成り立たないぜ。

    たしかに、野球やサッカーなんかの団体競技に例えるとわかりやすいわ。

    まぁ簡単に言ってしまえば、誰かと一緒に行動する時は、必ず何かしらの『仕事』が生まれるってことよ。

    なるほどな。
    遠くにドライブ行く時は、友達ばかりに運転させちゃあダメなんだな。

    そうそう。ドライブでの仕事レベルの貢献は、「運転する」という仕事を率先してやることね。

    分業の考え方だと、運転が好きな人に運転の仕事を任せて、

    方向感覚の優れた人に、マップを見る仕事をやってもらったり、だな。

    魔理沙も『仕事』の考え方が身に付いてきたみたいね。

    誰かがやらないと共同体が成り立たなくなる事は、すべて仕事なんだ、と考えれば簡単じゃないか。

    その調子で『交友・愛』の話もお願いするわ。

    ‥‥アドラーの愛って、難しくて厳しそうな予感がするんだぜ‥‥

    次回に進みます

    嫌われる勇気の徹底解説

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