成長できない人の心理
人間が成長するためには努力が必要です。
こんな事はみんな分かっているのですが、成長したいのに努力できない人がたくさんいます。
優れた人になりたい‥‥
誰もがそう願いつつも行動を起こせません。
原因は『劣等感との向き合い方』にあります。
成長を邪魔する心理を理解して、うまく劣等感と向き合えば、理想の自分に近づけます。
今日の結論
劣等コンプレックスは逃げる心理
優越コンプレックスは強がる心理
どちらの心理も成長できない
成長できない2つの心理
『成長したいのに頑張れない人』
今日は、そんな人に共通する心理について解説するわよ。
アドラー心理学を使えば、簡単に理解できるからね。
頑張れない人ねぇ‥‥
たしかに私の職場でも、努力して成長を続ける人と、ずーっと変わらない人って分かれるんだぜ。
学校でも同じだったわよね。
勉強や部活を頑張って目立つ子もいれば、頑張ろうとしてるのに続かない子もたくさんいた。
その違いを、親からの教育や、性格のせいにするのが普通だったわね。
まぁ、そうかな。私より勉強できる子は、私より真面目な性格なんだろうと思ってたぜ。
その子の親が賢くて、良い教育を受けてるんだろう、とかね。
そうだな。そんな感じで思ってたぜ。
『成長しない人の心理』って、そういうものだと言ったらどう思う?
えっ?そうなのか?
今話した内容で変なところあったか?
変ではないわ、むしろ普通よ。
何か理由をつけて努力から逃げてしまう心理を、アドラー心理学では劣等コンプレックスと呼ぶの。
魔理沙は、自分より勉強できる子がいることを「自分の努力が足りない」とは考えずに、性格や環境のせいにしようとしたわね。
これは劣等コンプレックスよ。
なんかいきなり厳しい事言うんだな。
ごめんごめん。これは魔理沙だけに限った話じゃないわ。
私も昔はそうだったわよ。
自分より出来る人は、何か理由があって出来るんだと思ってたわ。
それが間違いだと気づいたのは、アドラー心理学を知ってからよ。
劣等コンプレックス‥‥
もうすこし詳しく教えてほしいぜ。
劣等感と向き合っているか?
劣等コンプレックスの話に入る前に、まずは『劣等感』についておさらいしておくわよ。
頑張れない人というのは、劣等感との向き合い方を間違えてる人だからね。
???
劣等感との向き合い方?
魔理沙は、自分の劣等感と正面から向き合ってる?
・・・さぁ? どうかな?
いちいち自分の劣等感なんて意識してないぜ。
他人と比べて自分の方が劣っている
そういう感覚が劣等感よ。
自分より優れた人に憧れる気持ちは、魔理沙の中にもあるわよね?
そりゃあ、あるぜ。
最近太ったから、スタイルの良い人には憧れるな。
それは劣等感ね?
・・・まぁそうなんだろうな。
太った自分に劣等感を感じたから、痩せてる人に憧れたんだと思うぜ。
その劣等感とは向き合ってる?
ダイエットをしたり、別のことで自分を磨いたり‥‥
そういう努力はしてる?
うっ‥‥ 痛いとこ突くな。
昨日一緒にラーメン食べたくせに、そんなこと聞くのは性格悪いぜ。
たまにラーメン食べるくらいは良いと思うけどね。
でも、太ったという劣等感と向き合っていたら、ラーメンは我慢したかも知れないわね。
はいはい。私は劣等感と向き合わずに、痩せる努力から逃げてラーメンを食べましたよ。
・・・何が言いたいんだ?
私をいじめて楽しんでるだけじゃないだろうな?
ちがうちがう。いじめてないわ。
劣等感と向き合わずに逃げてしまうと、人間は成長できないって事を言いたかっただけよ。
優越性の追求が成長を生む
小さい子供って、とんでもないスピードで成長するわよね?
大人のように喋りたい
大人のように食べたい
大人のように自由に動き回りたい
そんな欲求にまかせて、がむしゃらに努力する内に、自然と出来るようになってしまう。
子供の急激な成長を生む原動力は、大人に対する劣等感なのよ。
それはわかるぜ。
大人になってからも同じじゃないか?
私は出来る先輩を目指して、仕事を覚えたりしたんだぜ。
大人も子供も同じね。
他人より劣っている状態を、なんとか抜け出そうと努力して成長する。
このような自分を高めようとする行動を、アドラー心理学では『優越性の追求』と呼ぶわ。
子供は優越性の追求をしまくるから、急激に成長するんだな。
その通りね。
『成長』とは、不満な状態から抜け出す為の、努力から生まれる『変化』だと考えましょう。
その不満の源は劣等感だわ。
なるほどな。まずは『劣等感』が不満を生む。
そんな不満な状態がイヤだから、頑張って抜け出そうとする。
その時に生じる変化が『成長』だな。
悔しさをバネにして頑張るってよく聞くけど、それと同じだな。
まさにその通りね。
バネに負荷をかければかけるほど、跳ねかえりも大きくなる。
強い劣等感は、大きな成長を生む。
あんまり負荷をかけ過ぎると、バネが折れちゃうんだぜ‥‥
ふふ、そうね。
ここからは、バネが折れた人がどうなるかを考えていくわよ。
自信を失うと努力できない
バネが折れた人っていうのは、心が折れて、優越性の追求ができなくなった人のことね。
そんな人の心理を追っていくわよ。
それは今日のテーマじゃないのか?
成長しない人の心理ってやつだよな?
そうそう、今日の重要ポイントよ。
心が折れた人は努力できないから、当然、成長もできないのよ。
心が折れるってどういう状態なんだ?
具体的に教えてくれよ。
そうねぇ。
わかりやすく言えば「自信を失う」という表現になるかしらね。
自信を失う‥‥
『自信』って何なのかな?
「私ならできる!」こんなふうに思えるのが自信ね。
劣等感が強すぎたり、出来ない状態が続いたりすると、その自信が失われる可能性が高くなるわ。
レベルの差が有り過ぎたり、全然できなかったり、そんな感じだったら自信を失うのも無理ないと思うぜ。
「私にはできない‥‥」こんな思い込みを持ってしまったら、やる気なんて出るわけがないわ。
劣等感から目を背けて、努力することから逃げてしまいがちよ。
自信を失ったらやる気も失うんだな。
そして、努力をしなくなる。
私自身にも当てはまる流れだぜ。
そして、努力することから逃げる時って、多くの人は同じ行動を取るわね?
同じ行動? よくわからないな。
『言い訳』よ。
言い訳して努力から逃げる。
逃げる心理
劣等コンプレックス
私がさっき言ったことを思い出して。
何か理由をつけて努力から逃げてしまう心理を、アドラー心理学では劣等コンプレックスと呼ぶ。
わかりやすく言い換えれば、言い訳して努力から逃げる心理ね。
言い訳して逃げる‥‥
例えばどんな言い訳をするんだ?
劣等感は、階段をイメージするとわかりやすいから見てみましょう。
年収300万円の人が、1000万円の人に劣等感を持つとこうなるわ。
ふむ‥‥ 努力して、この階段を上れば成長できるってわけだな。
そう。これは努力と成長の階段よ。
差が大き過ぎたり、頑張っても上れなかったりすると、多くの人は階段から目を背けてしまう。
学歴や性格のせいにして、『逃げる言い訳』にするかもしれないわね。
階段を上るのはツライ‥‥
でも、逃げる自分も許せない‥‥
そんな八方ふさがりな状況で生まれるのが『逃げる言い訳』なのよ。
この図の人は、学歴や性格を言い訳にして、階段から目を背けてるんだな。
でも、学歴と年収って関係あるんじゃないか?
性格や才能だって、年収が少なかったりする理由になると思うぜ。
その通りね。関係は絶対にある。
でも、そこに逃げてしまったら、いつまで経っても成長できないのよ。
体質のせいにしてダイエットをあきらめたり、成績の悪かった親のせいにして勉強しなかったり。
まぁ、学歴が低いことをバネにして、努力して成功する人もいるな。
だらしない性格の人でも、やらざるを得ない状況に自分を追い込んだり。
太りやすい体質なら、その体質自体を改善する方法もあるわよね。
親の学歴が低くても勉強を頑張った人なんて山ほどいるわ。
‥‥うん‥‥
努力・努力か‥‥
なんだかしんどくなってきたぜ。
別に逃げたっていいんじゃないのか?
自分の人生なんだから。
おっしゃる通りよ。逃げたかったら逃げればいいの。
出来ない自分
劣った自分
そういうものを素直に受け入れて、あきらめてしまってもいいのよ。
うん‥‥ 全てのことに頑張ってたら、身が持たないんだぜ。
私が言いたいのは、他人や環境のせいにするなってことよ。
努力するのもあきらめるのも、すべて自分で決めることなの。
「私は逃げる」と決断して、正々堂々と逃げればいい。
他人や環境なんて関係ないわ。
ふむ‥‥ なるほど‥‥
言いたいことはわかったんだぜ。
階段を上る自信を失ったら、上らなくてもいい理由を探しちゃうんだな。
上らなくても自分は悪くない、と思えるような言い訳を探す‥‥
よく考えてみたら、私も言い訳ばっかりしてるぜ。
私もそうよ。慣れてない仕事が回ってきそうな時、「やったことないから」とか言って逃げたり‥‥
でも、逃げようとしてる自分を自覚できたら、言い訳せずに向き合える時も出て来るはずだわ。
とりあえず、何か言い訳する時は、逃げようとしてるって事なんだな。
そうそう。出来ない理由なんて、屁理屈でいくらでも作り出せるのよ。
強がる心理
優越コンプレックス
今日はもう一つ、成長しない人の心理を紹介するわ。
『劣等コンプレックス』よりもやっかいな心理ね。
何だ、それ。
『優越コンプレックス』と呼ばれる心理で、出来るフリをして他人に嘘をついてしまうの。
もっと具体的に教えてくれよ。
あせらなくてもキッチリ教えるわよ。
劣等コンプレックスは、努力から逃げる心理だったわね。
優越コンプレックスは、強がって、出来る自分を演じる心理なの。
階段のイメージを見ればわかるわ。
ああ、階段を上る努力をしたくないから、上ったフリをしちゃうんだな?
そう。逃げるだけでは満足できなくなると、優れた自分を演じてしまう。
無理して高い車に乗ったり、家を買ったり、豪遊して自慢したりする。
出来ないことを出来ると言う
持ってないのに持ってると言う
知らないのに知ってるフリをする
知ってるフリは私も経験あるぜ‥‥
それは私も一緒よ。程度の軽い例は誰でも経験あるでしょうね。
素直に「知らない」って言えば済む話なのにね。
バカだと思われたくないから、つい知ったかぶりしてしまう。
知らないのが現実なんだから、強がっても仕方ないよな‥‥
『知らないことがたくさんある自分』を、ちゃんと受け入れてる人だったら、素直に質問できるでしょうね。
まぁ、たまにならいいのよ。
問題なのは、嘘をつくことがクセになってしまう状態ね。
努力して成長することよりも、優れた自分を「演じること」にエネルギーが向いてしまう。
本当の自分がバレないように、必死で隠し続ける。
それは苦しいな。
不自由で成長しない生き方だぜ。
程度が重くなると、周りの人も扱いに困るでしょうね。
嘘に付き合ってあげないといけない。
逃げ続けて自信を失った先には、こんな結末も待ってるのよ。
『自信』って大事なんだな。
私も自信を失わないように、頑張れることは頑張っておくぜ。
それがいいわよ。自信の有り無しは、人生を大きく左右してしまうわ。
アドラー心理学では自信ではなくて『勇気』と呼ぶけどね。
なるほど、勇気か。
前向きに生きる勇気がくじかれないように『出来ることはやる』
私はよく、自分に言い聞かせてるわ。
今日のまとめ
今日は、劣等感と向き合わずに、成長しない人の心理を解説したわね。
自信を失うとヤバいって話だったな。
努力しなくなっちゃうから、成長もできないって言ってたんだぜ。
努力 成長 自信 やる気
この関係を図に表してみるわよ。
これなら分かりやすいな。
この良いループに入る起点は、やっぱり努力なのかな。
そうね。何もしないのに自信が得られるってことは無いからね。
他人から褒められて、急にやる気が出るのはあるかもしれないけど。
でもそれって他人次第なんだぜ。
自分だけで決められるのは、努力するかどうかだと思うぜ。
さすが魔理沙。その通りね。
自分の人生を、他人の価値観に委ねるのは、不自由な生き方になるからオススメしないわ。
その大切な『努力』を、しなくなっちゃう心理が2つあったな。
劣等コンプレックス
優越コンプレックス
劣等コンプレックスは、言い訳して努力から逃げる心理。
優越コンプレックスは、強がって、出来る自分を演じる心理。
どちらにも共通してるのは「成長できない」ってことね。
こういう心理を自覚できたら、流されずに行動できるかも、だぜ。
そうそう、まずは自覚しないとね。
成長できなくなるのは、劣等感から逃げるからよ。
自分の劣っているところを、無視してしまったら成長できない。
だからちゃんと正面から向き合う。
逃げたかったら、他人や環境のせいにせず、優れたフリをせず、逃げることを正々堂々と決断する。
戦ってもいい。逃げてもいい。
すべては自分で決めることなのよ。
今日の結論
劣等コンプレックスは逃げる心理
優越コンプレックスは強がる心理
どちらの心理も成長できない
劣等感を理解する
劣等感を克服する方法