幸せになる勇気の徹底解説⑥交友のタスク◇他人を信頼して仲間になる

    今日のテーマ

    相手の幸せを考える

    目次

    他人を信頼して仲間になる

    さぁ、第六回の今日は、対人関係を本格的に考えていく「交友のタスク」について解説するわよ。

    前回やった「仕事」の続きだよな。

    「交友」からが対人関係の本番だって言ってたんだぜ。

    その通りね。

    仕事は自分の幸せ。
    交友は相手の幸せを追求する。


    まずは自分の幸せを組み立ててから、相手の幸せを考えないといけないわ。

    分業という仕組みのおかげで「自分」が活躍するように行動しても、最終的には共同体の役に立てるし、居場所が作れる。

    忘れてたら前回を思い出してね。

    大丈夫だぜ。まずは自分のことを優先して考えて、自分の生活をコントロールするんだ。

    衣・食・住 のような、生きることに直結するもの。

    最低でもこれくらいは、 自分で用意できないと、他人に支配される人生になってしまう。

    人生の主導権を奪われたら、幸せどころの話じゃなくなっちゃうんだぜ。

    そうそう、とにかくまずは自分よ。

    自分が主役の人生を、まずは目指さないといけないわ。

    自分の生活もままならない人が、他人を幸せにしようとしたって無理があるからね。

    ふむ‥‥
    仕事のタスクを乗り越えて、自分の生活を組み立てられる人が、次に立ち向かうべき交友のタスク‥‥

    ここからがアドラー心理学の核心となるからね。詳しく解説するわ。

    共同体を壊さないために

    共同体の分業を真剣にこなして、自分の居場所を確保する。

    仕事のタスクを簡単に説明するとこんな感じだよな?

    そうね。
    ざっくりした理解だけどね。

    アドラー心理学での幸せってのは、たしか、共同体の中に居場所を感じることだったはずだぜ。

    仕事で居場所を作れるなら、もうそれで幸せってことじゃないのか?

    ある意味それで合ってるわ。

    ちゃんと自分の役割を果たせれば、居場所を得られると同時に、幸せを感じられる。

    ‥‥でもね‥‥

    自分の幸せを願う人ばかりの共同体は、いずれ問題が発生しちゃうのよ。

    みんなが役割を果たせば共同体は成り立つだろ。

    なんだよ、問題って?

    共同体がまとまらないという問題よ。

    みんなが「自分の幸せ」を求めるというのは、みんなが「競争」し合ってるという状態よ。

    競争し合う状態‥‥

    たとえば野球などの団体競技で考えてみて。

    みんなが「自分の成績」ばかり競っていると、個人技が磨かれるというメリットはあるけど、チームワークはバラバラだし意思の統一ができない。

    目立つことばかりに執着して、地味で裏方的な仕事がおろそかになる。

    まぁ、みんなが自分優先で動けばそうなるだろうな。

    嫌われる勇気の解説でも話したわね。

    「競争」は敵を作るし、対人関係に安心できない。

    他人の失敗が自分の得になったりするから、他人の足を引っ張る人だって出てくるわ。

    共同体のみんなの意識を競争から協力に変えていくのよ。

    じゃないと共同体はバラバラになってしまうわ。

    ふむ‥‥ 競争より協力か‥‥

    自分の役割を果たせるようになったら、次はみんなで協力することを覚えないといけない。

    それこそが「交友のタスク」なのよ。

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    信用と信頼のちがい

    まぁ霊夢の言いたいことはわかるぜ。

    個人の能力が高いだけではダメで、みんなで協力した方が、より強くて壊れにくい共同体になる。

    そりゃそうなんだろうが、具体的に何をしたらいいんだ?

    交友のタスクに必要なのはこれよ。

    「他人を信頼する」

    これも嫌われる勇気の解説で出てきたけど、信用と信頼はちがうって話は覚えてる?

    あー、覚えてるぜ。
    相手を信じる時に、条件を付けるか付けないかっていう話だったな。

    そうそう、その通りよ。

    疑いつつ条件付きで信じるのが信用。
    疑わず、何も条件を付けずに信じるのが信頼ね。

    銀行がお金を貸すのは「信用」よ。

    返せなさそうな人や、お金の代わりになるものを持ってない人には絶対に貸さない。

    安定した収入や資産という「条件」

    これをクリアしないといけないのが信用で、信頼だとそういった条件を一切考えないわ。

    無条件ってのが難しいんだよな‥‥

    誰にでもお金を貸してたら、返さない人だって出てくるんだぜ。

    勉強しない子ども、サボりがちな同僚、時間を守らない友達‥‥

    きっと大丈夫だと信じて、それが裏切られた時はガッカリなんだぜ‥‥

    そうよね。わたしだって裏切られるのはイヤだわ。

    でもそこを乗り越えるのが交友のタスクなのよ。

    家庭でも、学校でも、職場でも、共同体のみんなと敵対しちゃいけない。

    「仲間」にならないといけない。

    仲間になるには疑ってちゃいけない。
    それでは関係を深められないわ。

    まぁそうなんだろうけどな。
    良い関係を築くんだから、疑ってちゃいけないのはわかるんだぜ。

    でも、いきなり「他人を信頼しろ」なんて言われても難しくないか?

    わたしはやっぱり、騙されるのも裏切られるのもイヤなんだぜ。

    勉強しない子どもは監視するし、サボりがちな同僚には仕事を任せない。

    魔理沙の気持ちはよくわかるわ。

    信頼はとても難しい行動よ。

    だから、「その前にやるべきこと」をしましょう。

    ‥‥信頼の前にやるべきこと?

    信頼するには尊敬と共感が必要

    アドラー心理学での、対人関係の築き方って覚えてる?

    対人関係の築き方‥‥

    まず最初に「課題の分離」をして、その後「尊敬」「共感」に進むんじゃなかったか?

    そうそう、その流れよ。
    第二回・三回で詳しく解説したわね。
    忘れてたら思い出しておいてね。

    私たちはみんな、「自分が正しい」と思って生きているわ。

    どんなに「間違ってる」と思える考え方や行動でも、その人にとってはそれが真実であり、正義であり、 選んだ生き方なの。

    すべてのひとの考え方や行動は、その人の「人生」に、密接に関係してるんだよな。

    そう。だから邪魔しちゃいけない。

    相手の考え方や行動を批判するのは、相手の「人生」を批判するのと同じだと考えましょう。

    たとえ相手が子どもであっても部下であっても、人生の価値って考えたらみんな同じよ。

    たとえ自分とは真逆の価値観であっても「その人らしさ」だと思って受け入れるんだよな。

    その通りよ。相手が持ってる価値観や生き方に、正しいも間違いも、優れてるも劣ってるもないの。

    相手はただ「その人らしく」生きてるだけなのよ。

    いわゆる「個性」ってやつだよな。

    対人関係には優劣も、正否も、勝ち負けも無い。

    あるのは、皆それぞれが持っている「その人らしさ」だけ。

    評価も批判もせずに、
    ありのままの相手を見て、
    「その人らしさ」を受け入れる。

    このような態度をもっていないと、自分と違う考えを持つ相手とは付き合えないわ。

    課題の分離も、尊敬も、共感も……

    相手の「その人らしさ」を受け入れる為にやることよ。

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    尊敬しつつ共感して
    さらに信じる

    すべては「その人らしさ」を受け入れるため‥‥

    課題の分離で考えるなら、他人の気持ちや行動は他人の課題よ。

    操作できるものではないし、操作しようともしちゃいけないわ。

    でも仲間になる為には気持ちや行動は合わせたい。

    相手の生き方を邪魔せずに、なんとか関係を深めていきたい‥‥

    そんなジレンマを解消するのが尊敬と共感だわ。

    相手を尊敬しつつ、 共感できれば、「その人らしさ」を邪魔せずに関係を深められる。

    尊敬ってたしかこんな行動だったな。

    その人が  その人らしく
    成長発展していけるよう気づかうこと

    その通りね。
    そして共感とはこんな行動だったわ。

    「もしもわたしがこの人と、同じ種類の心と人生を持っていたら?」と考えてみること。

    これらをわかりやすくまとめるとこうなるわ。

    尊敬とは、相手の「その人らしさ」を受け入れて応援すること。

    共感とは、相手になりきったつもりで、相手の気持ちを想像すること。

    ‥‥ふむ、なるほど‥‥

    尊敬は「その人らしさ」を応援する。

    共感は相手になりきって想像する。

    共感ができれば、相手の行動が人生と密接に関係してる事がわかるはずよ。

    どんな行動にも、十分な根拠があるとわかる。

    自分とちがうのは「その人らしい」からなんだと納得できる。

    そういうことだな。

    わたしは「わたしらしく」
    相手は「相手らしく」
    生きてるだけ
    なんだ。

    どっちが正しいとかは、対人関係の中では関係ない。

    そうそう。自分と相手しかいなかったら、誰が決めるんだって話よ。

    他人に共感して、尊敬する。

    これらは結局「自分が正しい」という思い込みを捨てる為にやる事なのよ。

    相手が子どもであろうが、妹であろうが、部下であろうが、

    「わたしが正しい」
    「お前が間違ってる」

    なんて思ってたら理解し合えるはずがないのよ。

    なるほどな‥‥

    諸悪の根源は「自分が正しい」という思い込みなんだな。

    それを手放すための尊敬と共感‥‥

    これはどっちが先とかあるのか?

    尊敬は態度や心構え。
    共感は具体的な行動よ。

    だから私は、とりあえずは共感だって思ってるわ。

    共感できれば尊敬はついてくるしね。

    ふぅん、とりあえずは共感か。

    尊敬と共感ができたら、やっと今日のテーマの「信頼」に戻れるわ。

    さっき魔理沙が言ったことを思い出してみて。

    勉強しない子どもを監視して、サボりがちな同僚には仕事を任せない。

    そんな魔理沙は、尊敬と共感はできてるかしら?

    ‥‥できてないだろうな。

    勉強しないのはダメ‥‥
    仕事をサボるのはダメ‥‥

    相手が間違ってるって決めつけてる。

    まずは共感してみるべきよね。

    もしかしたら、相手と状況を入れ替えたら、魔理沙も勉強せず、仕事をサボるかもしれない。

    ‥‥そうかもな。

    まぁ、サボるかどうかは置いといて、とりあえず相手の立場・状況は知るべきだと思うぜ。

    その人の人生に直結した、なにか理由なり目的なりがあるはずだ。

    そうそう。その人らしい、理由や目的がきっと見つかるわよ。

    相手の「その人らしさ」を知り、それを大事に思えたら、最後の「信頼」に進むことができるわ。

    相手を無条件に信じるのよ。

    それって結局なにをしたらいいんだ?

    「信じる」という行為は「期待する」に置き換えるとわかりやすくなるわ。

    信じるとは期待すること?
    いったい何を期待するんだ?

    「自分も尊敬されること」
    これを相手に期待するのよ。

    他人を尊敬して、
    自分も尊敬されることを期待する。


    これが無条件に他人を信じる「信頼」という行為よ。

    「相手らしさ」を大事にしたあとは、
    「自分らしさ」を大事にしてくれることを期待するの。

    そういうことか。
    「尊敬し合える関係」なんて、まさに「仲間」と呼べる関係だぜ。

    こちらを尊敬してくれるかどうかは相手の課題よ。

    だから強制はできない。

    となると、信じるしかない。
    期待するしかない。

    お互いが尊敬し合って、
    相手の「その人らしさ」を
    大切に思い合う。


    こんな状態を目指して、 相手を尊敬しながら、自分も尊敬されることを期待し続ける‥‥

    それが「交友のタスク」なのよ。

    今日のまとめ

    今日もいろいろ話したけど、交友のタスクは理解できたかしら?

    そうだな。共同体のみんなの意識を、競争から協力に変えるって話はよくわかったぜ。

    みんなが自分のことだけを考えてるより、協力し合う「仲間」になった方が強い共同体になる。

    まぁわかりやすい話だ。

    だけどその後が複雑なんだぜ。

    課題の分離、尊敬、共感、信頼。

    なんか簡単にまとめられないのか?

    とにかく忘れないで欲しいのは、自分が正しいと思ったら、対人関係はそこでストップしちゃうってことよ。

    まずは「自分が正しい」という思いを手放す。

    対人関係はそこから始まるわ。

    ふむ、そのために尊敬と共感をするんだよな。

    そう。相手のどんな行動にも、そのひとなりの理由や目的があるはずよ。

    相手の事情を知ればそれに近づける。

    その人らしい理由や目的だな。

    それを知ろうとするのが共感。
    大事にする態度が尊敬。

    尊敬とは、相手の「その人らしさ」を受け入れて応援すること。

    共感とは、相手になりきったつもりで、相手の気持ちを想像すること。


    これ以上簡単にはまとめられないわ。

    今日の話で納得いかなかったら、第二回・三回の解説を振り返ってみてね。

    まぁ、でもわかったんだぜ。

    相手の気持ちを理解する努力をして、相手の「その人らしい」人生を応援するんだ。

    とにかくまずは、批判せずに受け入れるんだぜ。

    相手を信頼するのはそこからだよな?

    そうね。
    ここからがけなげな行動になるわ。

    自分も尊敬されることを期待する。

    ダメでも尊敬し続けて、
    期待し続ける‥‥

    相手の気持ちは相手の課題だもんな。

    強制できないんだから、期待して待つしかないぜ。

    裏切られる覚悟を持って、相手に期待するのよ。

    裏切られたとしても、こちらの主張を伝えて、わかってくれることを期待し続けるの。

    交友のタスク
    無条件に他人を信じる
    協力し合える仲間になることを目指す


    かなり難易度が上がってきたぜ。

    まだ最終の「愛」が残ってるからね。

    交友がわからなかったら「愛」もわからないわ。

    理屈っぽくなるから省いたんだけど、交友のタスクの流れは下に書いておくから確認してみてね。

    【交友のタスクの流れ】

    みんな自分が正しいと思っている

    そのままでは正しさが衝突してしまう

    相手の正しさの根拠を探る

    相手の正しさは相手の人生と繋がっていることを知る

    相手の人生は相手の課題

    相手の課題に介入してはならない

    でも衝突したままでは仲間になれない

    自分の正しさを取り下げる

    相手の正しさを受け入れる

    相手が正しいと思う人生を応援する

    自分の正しさを受け入れてくれることを期待する

    ダメだったらもう一度自分の正しさを提案してみる

    自分の正しさを受け入れてくれることを期待する

    ※最後の2行を繰り返す

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