幸せになる勇気の徹底解説②良好な対人関係は【尊敬】から生まれる

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    今日のテーマ

    他人を尊敬する

    目次

    対人関係の基礎【尊敬】

    さぁ、今日も「幸せになる勇気」の解説を進めていくわよ。

    テーマは 尊敬 ね。

    前作の「嫌われる勇気」に欠けていた、ものすごく重要な話だから最後まで聞いてほしいわ。

    尊敬か‥‥
    どうしてそんなに大事なんだ?

    これが無かったら他人と良い関係を築けないからよ。

    尊敬の無いところに、良好な対人関係は生まれない。

    そこまで言い切っちゃうのか?
    わたしの知ってる尊敬って、そんなすごい行動じゃなかった気がするが‥‥

    一般的な理解ではそうかも知れない。

    「尊敬」とはどういう行動なのか?

    まずはここをハッキリさせて、尊敬のないコミュニケーションが、いかにひとりよがりで未熟なものか伝えるわ。

    尊敬ってなんだ?

    わたしが尊敬する人っていうのは、
    「あんなふうになりたい」って憧れるような人なんだぜ。

    「幸せになる勇気」に書かれてる尊敬は違うのか?

    そうね。単純な憧れとは違うわね。

    「尊敬」は相手を限定しないのよ。
    相手がどんな人でも、対等な人間として尊重するの。

    一言で表すとこうなるわ。
    「ありのままにその人を見る」

    ありのままに‥‥
    もうちょっと具体的に教えてくれよ。

    うん、つまりはこういう事よ。

    他人がどんな生き方をしていても、
    どんな考え方を持っていても、
    たとえ自分とは真逆の価値観でも

    批判しない。

    ‥‥真逆の価値観でも批判しない??

    そう。たとえ魔理沙のことを嫌う人でも、批判せず、 反発せず、 ありのままにその人を見る。

    これが「尊敬する」という行為なの。

    なぜそんな事しないといけないんだ?
    自分のことを嫌う人なんて、そっこー無視だぜ、無視。

    まぁ、魔理沙ならそう答えると思ってたけどね。

    「課題の分離」って覚えてる?嫌われる勇気の解説で詳しくやったけど。

    覚えてるぜ。
    それがどうかしたのか?

    課題の分離は
    自分も他人も大事にする

    「課題の分離」がアドラー心理学の出発点よ。

    まずはこれをやらないと、人間関係が始められないわ。

    そして「尊敬」という行為にも密接につながってくるの。

    くわしい内容は思い出せる?

    おう。たしか「課題」っていうのは
    「やるべきこと」って意味だったぜ。

    まずは自分と他人の課題を切り離す。

    他人の課題には介入しない。
    自分の課題には介入させない。

    そうそう。 忘れてるところがあったら、「嫌われる勇気」第8回の解説を思い出してね。

    自分のやるべきことに他人が口出ししてきたら、それは他人からの「介入」になるわ。

    自分らしい、自由な生き方を邪魔されてしまう。

    逆も同じね。

    他人の自由や「その人らしい」生き方を妨げないように、他人のやるべきことに介入してはいけない。

    他人の課題を切り捨てて、自分の課題に集中する。

    そうすれば、 他人に振り回されることは無くなるし、自分らしく生きることができる。

    人間関係を整理できるんだよな。
    それが「尊敬」と関係あるのか?

    課題の分離と尊敬はつながってるわ。

    「他人の課題を切り捨てる」というのは、言葉だけ聞くと冷たく感じるけど、「他人の価値観を尊重する」という意味もあるのよ。

    ふむ‥‥ 相手の課題に介入しないってのは、相手の人生に介入しないって事でもあるわけか‥‥

    そうそう、その通りよ。
    近づき過ぎてお互いの人生を邪魔しないように、適度な人間関係の距離を保つのが「課題の分離」なの。

    その適度な距離を保ちつつ、他人との関係を深めようとするのが、アドラー心理学での対人関係の築き方だわ。

    ‥‥なんか抽象的な話だが‥‥

    それって難しいんじゃないのか?
    適度な距離を空けたのに、また近づこうとするんだろ?

    そう、めちゃくちゃ難しいの。
    他人の「その人らしさ」を邪魔せずに、関係を深めないといけない。

    そのために必要なのが「尊敬」なの。
    「ありのままにその人を見る」

    相手がどんな生き方をしていて、どんな考え方を持っていても批判しない。

    たとえ自分とは真逆の価値観を持っていて、意見が衝突する場合であっても、それは相手の「その人らしさ」だと思って受け入れる。

    ‥‥さっきも同じことを聞いたな。

    わたしのことを嫌ってきたとしても、それは相手の「その人らしさ」だってことか?

    そうね。
    課題の分離で考えるなら、魔理沙のことをどう思うかは相手の課題よ。

    どうにもならないことだし、どうにかしようと思ってはいけない。

    相手の気持ちは強制できない。

    無視しちゃだめなのか?

    それでは良い関係を築けないわね。

    自分のことを良く思わないからって切り捨ててたら、孤立しちゃう場合も出てくるわよ。

    関係をあきらめるのは、努力してもダメだった場合だけね。

    努力してもダメだった場合??
    どういうことだ?

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    “その人らしさ”を邪魔せず
    関係を築く

    いわゆる「気が合う」ような相手だったら、価値観が似てるから苦労せず仲良くなれるわ。

    でも自分とは「ちがう」相手と付き合うには、どうしても対人関係の努力が必要になる。

    まぁそうだろうな。意見が食い違うような人と関係を保つんだから。

    なにか付き合い方に工夫が必要だぜ。

    意見が食い違う話は前回したわね。

    魔理沙の同級生に「疑り深い子」がいる、という設定で解説したわ。

    その子がお店で何かを買う時は、店員のアドバイスは全てセールストークだと思って、一切信用せずに勧められる以外のものを買う。

    おう、それを極端すぎると思った私は助言するんだ。

    「ホントにお客さんのためを思って、商品を勧めてくれる店員だっているかもしれない」

    でも、その子のリアクションは思っていたものと違った。

    「店員の言うことを信じて、高くて変なものを買わされたら、魔理沙が責任をとってくれるの?」

    わたしはその子の為を思って助言したつもりだが、完全に裏目に出ちゃったパターンだよな。

    ここでもし、魔理沙が相手を「尊敬」していなかったら、

    「おかしい」とか「ひねくれてる」とか言って、相手を批判するでしょう。

    もしくは無視するとか縁を切るとか、関係を断つ方向に進んでしまう。

    ‥‥そうかもしれないな。
    相手の態度しだいでは、口論に発展するかも知れない。

    もし後輩とか妹とか、相手が自分より弱い立場だったら、その傾向は強くなるでしょうね。

    アドラー心理学では、相手が誰であろうと尊敬しようとする。

    ありのままにその人を見ようとする。

    自分の考えや意見は関係ない。

    ただ、ありのままに、そのひとの行動や考え方、つまり「存在」を受け入れようとするのよ。

    その人の「存在」を受け入れる‥‥

    その人の考え方や行動すべてを、
    「その人らしさ」だと解釈する‥‥

    そうそう。たとえ魔理沙のことを嫌っていても、魔理沙とは逆の考え方をしていても関係ないわ。

    対人関係に正しいも間違いも無いの。

    あるのは 「その人らしさ」だけよ。

    なるほどな。わたしはこの先、いろんな人と関係を築かないといけないんだから、他人の「その人らしさ」を大事にする態度は必要だな。

    でもこれは「相手の言いなりになる」ってのとは違うんだろ?

    反論したかったらすればいいのよ。

    でもそれは、相手の「その人らしさ」を受け入れた上で、こんな考え方もある、という形で「提案」するべきね。

    相手になにか意見をしたい時、相手を尊敬できていたら強制や介入はせず、提案というかたちが選ばれるはずよ。

    相手の意見を「変えてやろう」とか、「操作してやろう」とする介入は、尊敬の欠片も無い行為だわ。

    ふむ‥‥ 課題の分離をしたあと、相手の課題に介入せずに関係を築くには、どうしても尊敬が必要になる‥‥

    その通りね。尊敬ができていれば、相手の「その人らしさ」を邪魔せずに、対人関係を築けるはずよ。

    尊敬には欠かせない共感

    言いたいことはわかったんだぜ。

    「その人らしさ」を尊重するのが大事なのはわかった。

    でも具体的にはどうすればいいんだ?

    「その人らしさ」を邪魔せず対人関係を築くなんて、どう行動すればいいのか、よくわからないぜ?

    そうね。「尊敬」についてもう少し深掘りするために、本の中で書かれている一文を紹介するわね。

    尊敬とは、その人が、その人らしく成長発展していけるよう、気づかうこと。

    ‥‥その人らしく成長発展??
    気づかう??

    この一文からわかるのは、尊敬は具体的な行動というより、対人関係を築く際の心がけや態度だってことね。

    「その人らしい」生き方を邪魔せずに、その人の成長や、人生の発展の為に貢献しようとする。

    そんな心がけや態度が「尊敬」というものなのね。

    心がけや態度なのはわかったが、具体的にどう行動したらいいんだ?

    他人を尊敬した上で、やるべき行動は、ズバリ「共感」よ。

    これは次回のテーマになるわ。
    尊敬の大切さを理解できたら、それを行動で表す「共感」を知るのよ。

    尊敬を理解できたら共感‥‥
    それってどんな行動なんだ?

    アドラーの言葉を見てみましょう。

    他者の目で見て、
    他者の耳で聞いて、
    他者の心で感じること


    つまり、相手と同じ状況だったら、
    どう見える?
    どう聞こえる?
    どう感じる?

    これらを想像するってことね。

    相手と同じ、目と耳と心を持ったつもりで想像する‥‥??

    そう。さっきの疑り深い子が極端だと思う魔理沙も、その子と同じような状況だったら、同じように疑り深くなるかもしれない。

    そんな想像をして、他人の気持ちの流れを理解して、受け入れるための行動が「共感」よ。

    次回にくわしく解説するわね。

    今日のまとめ

    今日は大事な大事な「尊敬」について話したわね。

    尊敬のないコミュニケーションが、いかにひとりよがりで未熟なものか、なんとなくでもわかったかしら?

    尊敬の大事さは理解したつもりだぜ。
    「ありのままにその人を見る」

    でも、その前に、課題の分離から考えた方がわかりやすいんじゃないか?

    そうね。課題の分離と尊敬は、切っても切れない関係よ。

    「自分らしい」生き方を守ると同時に、相手の「その人らしい」生き方を守る行動でもあるからね。

    近づき過ぎてお互いの人生を邪魔しないように、適度な人間関係の距離を保つのが課題の分離だな。

    わたしはこう思ったんだぜ。

    他人の課題に介入しちゃうのは、自分の方が「正しい」って思うからだ。

    なにを正しいと思うかは相手の課題。

    自分が正しいと思うこととは、分離して考えるべきだ。

    その通りよ、魔理沙。
    私たちはみんな、自分が正しいと思って生きているわ。

    みんな自分なりの「正しさ」を持って生きている。

    その人が持つ、 その人だけの正しさ

    それが「その人らしさ」だわ。

    なるほどな‥‥
    らしさ、正しさ、生き方、みんな似たような意味なんだな。

    これを大事にするのが「尊敬」だな。

    そういうことね。自分の正しさを相手に押し付ける「介入」に踏み込まない為には、相手の正しさを大事にする態度が必要になるわ。

    尊敬するという、態度や心がけだな。
    「ありのままにその人を見る」

    たとえ自分のことを嫌う人でも、批判しない。反発しない。
    「ありのままにその人を見る」

    どっちが正しいか?
    どっちが優れているか?


    そんな評価は抜きにして、ただ、ありのままにその人を見るのよ。

    人間はみんな「その人らしく」生きているだけなの。

    本来ならそこに、優劣や正否や勝ち負けなんて存在しないわ。

    たとえ相手が子どもであっても、魔理沙と同じ価値の「その人らしさ」を持っている。

    そう考えれば「介入」なんてできなくなるはずよ。

    子どもも私も同じ価値‥‥
    つまり、みんな対等ってわけだな。

    たしかに対等な相手の考え方や行動は尊重するぜ。

    アドラー心理学は「横の関係」という、対等な関係を目指すからね。

    尊敬はこんなところにも繋がるのよ

    課題の分離をした後は、
    他人を「尊敬する」という態度で、
    対人関係を深めていく。

    それが今日の結論だな。
    そして、その具体的な行動である「共感」は次回だな。

    そうね。他人を尊敬した上で、やるべき行動が「共感」ね。

    これは対人関係の技術だから、どんな人でも実践できるわ。
    怒りっぽい魔理沙でもね。

    おっ、それは私に対する挑戦だな。
    大丈夫、共感なんてすぐ出来るようになってやるぜ。

    次回に進む

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