嫌われる勇気の徹底解説⑧”課題の分離”は他人を尊重しつつ人生の重荷を軽くする

    今日のテーマ

    対人関係の出発点

    目次

    第三夜・課題の分離

    さぁ、今日は第三夜の締めくくりとして、アドラー心理学の出発点となる行動を解説するわね。

    アドラー心理学の出発点か‥‥
    どんな行動なんだ? 難しいのか?

    こんがらがった人間関係を断ち切るテクニックよ。

    シンプルな考え方だから、魔理沙も出来ると思うわ。

    他人を思いやりつつ、自分らしい生き方を取りもどすための行動で、課題の分離と呼ばれているわね。

    ふむ。 なんか凄そうなんだぜ。
    難しくなければやってみたいぜ。

    わかりやすく解説するから大丈夫よ。

    とりあえずどういう行動なのかを、先に伝えておくわね。

    自分の課題と他人の課題を切り離す。

    他人の課題には介入しない。
    自分の課題には介入させない。

    ‥‥何が何やらさっぱりだな。

    これが出来なかったらアドラーの教えは実践できないからね。
    詳しく解説していくわ。

    対人関係の悩みを
    一気に解決する方法

    第四回で解説したけど、人間の悩みには、必ず他人が関係しているわ。

    人と人との結びつきは大事だけど、重大なトラブルが生まれるのも人間関係からよ。

    他人を意識し過ぎたり、結びつきが強すぎたり、多すぎたり‥‥

    そうだな。他人との競争でツラくなったりするよな。

    他人に合わせてばかりなのがイヤで、自分らしく生きたいって悩む人は大勢いるぜ。

    それらを一気に解決できるのが、課題の分離という技術よ。

    人生の荷物を軽くして、シンプルに生きる第一歩になるわ。

    具体的には何をすればいいんだ?

    まずは3つのキーワードを知るのよ。

    課題・分離・介入

    この3つだけ理解できたら、課題の分離もできるようになるからね。

    ふむ。じゃあまずは課題って何か教えてくれよ。

    言葉だけ聞くと、宿題みたいにやらないといけないことみたいな印象だぜ。

    それで正解よ。

    魔理沙は生きている限り、必ず何かしらの共同体に属しているわ。

    友達・恋人・家族・学校・仕事‥‥

    その他にもいろんな共同体があるけど、魔理沙は常に、その中の一員として暮らしているわね。

    まぁ、そうなんだろうな。
    あんまり意識したことないけど。

    共同体には、いろんなやるべきことがあるわよね?

    家族という共同体だったら、 誰かがお金を稼がないといけないし、家事もしないといけないし、住む場所もメンテしないといけない。

    共同体を平和に維持する為には、誰か何かをしないといけないわ。

    そりゃそうだな。誰も何もしなかったら崩壊一直線だ。

    誰かが何かをしないといけない。

    そのしないといけないことが課題よ。

    魔理沙の言う通り、みんなが課題を放棄したら共同体は崩壊一直線ね。

    みんながそれぞれ、自分の課題をこなすことで共同体は保たれる。

    わかるぜ。
    会社なんて典型的だよな。

    各部署に分かれて、みんな自分の責任で仕事をしているぜ。

    モラルが崩れて、みんなが課題をおろそかにし始めたらヤバいよな。

    そうよね。共同体には課題がある。

    そして、課題には持ち主がいるわ。
    それをやるにふさわしい適任者がね。

    ふむ‥‥ 例えばどんな課題に、どんな持ち主がいるんだ?

    例えば、勉強という課題があるわね。

    これは家族や親子という共同体で、よく問題となる課題ね。

    たしかにな。勉強したくない子供と、させたい親との戦いは、今もどこかで起こってるはずだぜ。

    その不毛な戦いは、課題の持ち主をハッキリさせてないから起きるのよ。

    ‥‥どうやってハッキリさせるんだ?

    課題の持ち主を考える時は、このように想像してみて。

    その課題をやることで起きる、さまざまな良いこと悪いことが、誰に一番、 直接的に降りかかるのか?

    一番、直接的に降りかかる‥‥?

    勉強をすることで、さまざまな良いこと、悪いことが起きるわよね。

    良いことだと、知的に思われたり、人より勉強できることで気持ち良くなったり、就きたい職業に就けたり‥‥

    逆に悪いことだと、友達と遊ぶ時間が取れなかったり、勉強以外のやりたいことを諦めたり‥‥

    その良いこと悪いことが、一番直接的に降りかかるのが課題の持ち主‥‥

    そう、この場合は子供ね。

    勉強をするかしないかで、良い思いをするのも、悪い思いをするのも子供自身だわ。

    だから勉強は子供の課題ね。

    誰の課題かハッキリさせたら、その後はどうするんだ?

    次のキーワードに進むのよ。
    課題を「分離」するの。

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    課題を分離する

    課題を「分離」する‥‥

    勉強の話に戻るなら、勉強するかどうかは子供の課題ね。

    この時の親の課題は何かわかる?

    いやー よくわからないな‥‥

    子供の「自立」をサポートするのが親の課題よ。

    勉強するかどうかは子供の課題で、子供の自立をサポートするのが親の課題‥‥‥?

    そうそう。みんなそれぞれ持ってる課題を、境界線を引いて分離するの。

    この図のようにね。

    ふむ‥‥ 誰の課題かを考えて、境界線を引いて分離する‥‥

    分離して、それからどうするんだ?

    境界線を引いたら、それを踏み越えないように注意するのよ。

    相手側に踏み越えることを「介入」と呼ぶわ。3つ目のキーワードね。

    相手の課題には介入しない。
    自分の課題には介入させない。

    どうして介入しちゃいけないんだ?

    子供が勉強しないのなら、親がさせないといけないだろ。

    介入は子供の自立を邪魔するのよ。

    なんでもかんでも世話された子供は、自分で考えて行動できなくなるわ。

    自分で考えて行動を選択して、その選択に責任を持ち、最終的な結果を引き受ける。

    これが自立した人間よ。

    もし子供が、勉強しないことを選んだのなら、その選択は尊重しないといけないわ。

    ‥‥‥じゃあ子供はずっと遊んでてもいいのか?

    そこを考えるのが親の課題ね。子供の自立をサポートしないといけないわ。

    勉強するとこうなる。
    スポーツを頑張るとこうなる。
    遊んでるとこうなる‥‥


    他にもさまざまな選択肢が考えられるけど、それらの意味を子供に提示して、なりたい自分になれるように選択を促すのよ。

    現状維持ではなくて、何かを選択して行動できるようにならないと、自立した人間にはなれないからね。

    なるほど。ぼけっとスマホばかり見てるのは、スマホを見ることを選択したんじゃなくて、ただ現状維持を続けてるだけだな。

    何も頑張りたくなくて、現状維持に甘んじると遊んでしまう。

    その通りね。
    現状維持では自立した大人になれないから、勉強したくないなら、他の生き方を選択しないとね。

    もちろん遊びにもいろいろあるわよ。
    想像力を働かせて、大人が驚くようなものを作り出すかもね。

    そうだな。 遊びの中からすごい発明が生まれることだってあるんだぜ。

    親の課題って難しいんだな‥‥

    子供の選択肢を増やすために、親もいろいろ学ばないといけないな。

    そうそう、親の狭い価値観では想像つかないくらい、子供にはとんでもない可能性が秘められているのよ。

    だから親も子供の為に視野を広げて、いろんな選択肢を子供に提示できないといけないの。

    ふむ。堕落した現状維持にだけは、陥らないようにしないとな。

    そこが難しいところね。
    多くの親は、そこで怒って強制的に勉強させるわ。

    なぜ勉強するのか、意味もよくわかってないのに、「とにかくやれ」って言われても子供は納得できないわ。

    勉強する意味か‥‥ わたしもよくわからず勉強させられてたな。

    とりあえず勉強はしておいた方がいいっていう、無難な考え方もわかるんだけどね。

    でも強制・介入してしまったら、考える力・選択する勇気・行動への責任感などが育たないわ。

    あくまで選択するのは子供なんだな。

    現状維持に流れないように、子供とたくさん話し合わないとな。

    強制する前によく話し合わないとね。
    子供を見下してると、簡単に介入してしまうのよ。

    子供のことを、親と対等なひとりの人間だと認識すれば、粘り強い話し合いができるはずよ。

    親と対等な人間か‥‥
    私もそんな扱いを受けたかったぜ。

    本の中では、課題の分離をわかりやすく例えたことわざが出てくるわ。

    馬を水辺に連れていくことはできるが、水を呑ませることはできない。

    水を呑みやすい状況は作れるけど、最終的に、吞むかどうかを決めるのは相手だってことね。

    怒ったり叩いたりして、強制的に水を呑ませるのが「介入」だな。

    そういうことね。
    自分と相手の課題は分離して、介入しないように気を付けないとね。

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    他人の課題を切り捨てる

    ここまでは親子の話をしてきたわね。

    「子供の生き方を尊重する」
    こんな意味合いで解説したわ。

    だけど課題の分離にはもうひとつの顔があって、他人を切り捨てる厳しい顔も持っているのよ。

    んん? どういうことだ?

    たとえば、他人の目ばかり気にして、息苦しさを感じながら生きてる人。

    そんな人は課題を分離できてないわ。

    他人に嫌われることを、強く怖れてしまう人も同じよ。
    他人の課題を気にしすぎなの。

    まだちょっとわからないな。
    自分を嫌いになるかどうかは、相手の課題だって言いたいのか?

    そう、その通り。
    馬の例え話と同じだわ。

    最終的にどう行動するかは他人が決めることで、自分を嫌いになるかどうかも相手が決めることね。

    他人の気持ちは操作できない。
    水辺には連れて行けても、呑むかどうかはわからないわ。

    まぁそうだな。好きになってくれって頼んだって、それだけでは誰も好きになってくれない。

    最終的に決めるのは相手だ。

    どうにもならないことは、考えても仕方ないわね。

    ある程度は他人の反応が気になっちゃうでしょうけど、自分のことをどう思うかは相手の課題よ。

    他人の課題は切り捨てて、
    自分の課題に集中する。


    他人に振り回されず、自由にシンプルに生きるには、必要な考え方よ。

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    今日のまとめ

    まずは目の前の課題が、誰の課題なのかを考える。

    自分の課題と他人の課題を切り離す。

    他人の課題には介入しない。
    自分の課題には介入させない。

    まずは課題の持ち主をハッキリさせないと、話が始まらないよな。

    その課題をやることで起きる、さまざまな良いこと悪いことが、誰に一番、直接的に降りかかるのか?

    こんな想像をして、課題の持ち主を考えるんだったぜ。

    そうね。そして自分の課題と他人の課題の間に境界線を引くのよ。

    その境界線は、お互いに踏み越えないように注意する。

    それだけ聞くと簡単なんだがな。
    考え出すと色々わからなくなるぜ。

    それはなぜかというと、課題の分離という行動は、分離した後を考えないといけないからよ。

    相手の課題に介入せずに、どうやって相手に近づくのか?

    分離した後の話がメインになってくるから、いろんなケースを細かく考えないといけない。

    今日の内容ではぜんぜん足りてないから、関連記事のリンクを最後に貼っておくわ。

    課題の分離は、相手の生き方を尊重すると同時に、自分の生き方を守るという行動でもあるわ。

    アドラー心理学はここから始まるから、もし忘れたら復習しておいてね。

    次回に進む

    課題の分離を学ぶ

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