幸せになる勇気⑦愛のタスク◇愛されることを求める子供から他人を愛する大人へ

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    今日のテーマ

    ふたりの幸せを考える

    目次

    他人を愛して自立する

    さぁ、幸せになる勇気の解説もいよいよ最終回ね。

    今日は本のタイトル通りの話よ。

    幸せになるにはどうしたらいいか、結論を出して締めくくるわ。

    ふむ。人間の幸せについては色々聞いたんだぜ。

    徹底的に社会的な生き物である人間は、共同体の中に居場所があることで幸せを感じる。

    「自分の居場所がある」と感じるには、共同体にとって役に立つ存在じゃないといけない。

    そうそう。共同体に貢献して、役に立つ存在になり「貢献感」を得ないといけないのよ。

    貢献感が得られれば「ここにいてもいいんだ」と思えて、居場所と同時に幸せを感じられるってことね。

    人間の幸せ=貢献感

    アドラー心理学ではそう言い切っちゃうんだよな。

    人生のタスクを乗り越えれば、その貢献感が得られて幸せになれるんだろ?

    そうね。仕事・交友・愛。
    この3つのタスクを通じて他人に貢献するのよ。

    仕事の関係、交友の関係、愛の関係。

    それぞれの対人関係で、他人に貢献することで幸せに近づいていく‥‥

    ‥‥つまりこの3つは、幸福感のレベルを表している??

    するどいわね魔理沙。その通りよ。

    仕事のタスクでは自分の幸せ、交友のタスクでは相手の幸せを追求する。

    こういった貢献でも、居場所を感じることは出来るわ。

    でもまだ先があるの。
    自分も相手も幸せにできてこそ、到達できる幸せのレベルがある。

    それが愛だな。
    幸福の最終段階。

    そう、愛される事を求める子供から、他人を愛せる大人に成長する話よ。

    最後まで聞いて欲しいわ。

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    運命の人は自分で決める

    他人を愛して大人になる‥‥

    今わたしは好きな人がいないんだぜ。

    他人を愛そうにも、愛せる相手がいない状態だ。

    誰かを愛するかどうかなんて、そういう人と出会えるかどうかが、そもそもの問題だと思うぜ。

    出会いがないから愛する人がいない。

    逆に考えたら、そういう相手が現れたら、魔理沙は愛することができるってわけね?

    そうだな。恋に落ちるってやつだ。

    わたしは「運命の人」との出会いを期待してるんだぜ。

    世の中の多くの人は、恋愛に対してそんなイメージを抱いてるわね。

    でもアドラー心理学は「運命の人」を否定するわ。

    そんな都合の良い相手は現れないから、早めにあきらめた方がいいわ。

    はぁ?? 運命の人を否定する??

    どうしてだよ。運命的な出会いなんてよくある話だろ。

    たしかによく聞くわね。
    でも否定するのよ。

    なぜなら相手を好きになるかどうかは、運命的なものに決められているのではなくて、魔理沙自身が決めることだからよ。

    ‥‥わたし自身が決めること?

    そうよ。好きになる時も嫌いになる時も同じね。

    魔理沙は事前に決めているわ。

    この人を好きになろう、嫌いになろう、ってね。

    イマイチ納得できない話だな‥‥

    わたしは誰かを好きになる時に、この人を好きになるぞ! なんて決めた覚えはないんだぜ。

    ハッキリと意識はしてないかもね。
    じゃあちょっと視点を変えてみるわ。

    これまでに、魔理沙が人を好きになったのって、どんな時?

    ‥‥そうだな‥‥
    わたしは面食いだからな。イケメンに優しくされたらヤバいんだぜ。

    すべてのイケメンを好きになるわけじゃないの?

    そりゃそうだろ。まったく相手にされない時だってあるからな。

    相手が同じイケメンであっても、優しくされたら好きになって、相手にされなかったら好きになれない‥‥

    これはあきらかに、相手の出方を伺っているわね。

    相手の態度次第で、自分の気持ちの流れを変えているわ。

    ‥‥そんなの当たり前じゃないのか?

    好かれてないのに一方的に好きになったって、冷たくあしらわれて傷つくだけなんだぜ。

    傷つくことを恐れたら、傷つかなくて済む相手を選ぶようになるわ。

    魔理沙は運命的な相手を好きになるんじゃない。

    好きになっても大丈夫そうな相手を、自分で選んで好きになっている。

    ‥‥わたしに愛する人がいないのは、傷つくことから逃げてるからだって言いたいのか?

    そうね。恋愛で傷つかない一番の方法は、誰も好きにならない事だからね。

    顔が‥‥ 年収が‥‥ 年齢が‥‥
    趣味が‥‥ 教養が‥‥


    好きにならない理由や、気持ちにブレーキをかける理由なんて、いくらでも作り出せるわ。

    傷つく覚悟を持たないから、白馬に乗った王子様のような高い理想を掲げて、出会えない、出会えないと言って決断をしない。

    ‥‥運命の人はただの言い訳‥‥

    ‥‥傷つくことを恐れて愛することを決断しない‥‥

    他人を愛せば、辛いことも傷つくことも当然あるわ。

    傷つく覚悟を持って「この人を愛するんだ」と決断することが、愛のタスクの出発点になるのよ。

    ‥‥相手は誰でもいいってことか?

    厳密に言えばそうなるわね。
    決めるのは魔理沙だからね。

    じゃあなぜ、運命的な出会いの話を耳にするんだ?

    現実の世界でも、フィクションの世界でも、ホントっぽい話はたくさんあるんだぜ。

    それは結果論でしょうね。

    恋愛がうまくいってる人が、さかのぼって、過去の出会いを運命的だったと解釈している。

    ・・・。

    運命の人なんてどこにもいないわ。

    いるとしたら、魔理沙が「この人だ」って決める人よ。

    相手を選り好みして、楽な恋愛に逃げようとしてる自分を自覚しましょう。

    愛する人を決めて、愛することを決断する。

    そして愛のタスクを開始するのよ。

    他人を愛して幸せになる

    完全には納得してないが、霊夢の言いたいことはわかったぜ。

    たしかに傷つくことを恐れて、恋愛と真剣に向き合おうとしないから、楽なお姫様になりたがるのかも知れない。

    相手が誰でもいいってのはちょっと極端だけど、条件を出しまくって相手を選ばない人は、身勝手で都合の良い恋愛を求めてるだけなのよ。

    その身勝手さの大元は、傷つくことへの恐怖よ。

    乗り越える「勇気」を出さないといけないわ。

    他人を愛する勇気‥‥
    つまり「幸せになる勇気」ね。

    勇気を出して他人を愛する‥‥
    そして幸せになる‥‥

    結局「愛のタスク」の目指すところって何なんだ?

    新しい共同体を作り上げて、
    そこに居場所を見つけて自立する。


    これが愛のタスクの目指すところよ。
    幸福の最終段階ね。

    新しい共同体? 自立?
    意味がよくわからないぜ。

    共同体を作って自立する。

    これは簡単に言えば「大人になる」ってことなの。

    愛されることを求める子供から、他人を愛する大人になるのよ。

    ‥‥どういうことだ?

    幼い頃は、親がなんでも世話を焼いてくれたわ。

    愛されることが当り前の「自分が中心の世界」を生きてきた。

    ひとりでは生きられない状態で生まれる人間は、必ず「愛される」世界からスタートするわ。

    ふむ、そうだな。
    誰かの世話が必要なんだぜ。

    それが子供の世界であり、愛されるのが当り前で、他人に愛を求める世界。

    でも、大人になったわたしたちは自立しなきゃいけないわ。

    自分が中心だった家族という共同体を抜け出して、別の共同体で幸せを見つけないといけない。

    その為には、愛されることを求めるのではなくて、他人を愛することを覚えないといけないのよ。

    ‥‥そこで乗り越えないといけないのが愛のタスク‥‥

    愛するひとを決めて、
    愛することを決断する。

    他人を愛して、新しい共同体を作り上げて、そこに居場所を見つけ出す。

    私たちは成長しないといけないのよ。

    世界の中心であろうとする「子供」から、世界の一部であることを自覚する「大人」へとね。

    なるほど。ひとりよがりな状態から抜け出すんだな。

    そして共同体を作って、その一部として機能する。

    それが「自立」というわけだ。

    自立とは、自己中心性からの脱却よ。

    子供から大人へと成長すること。

    共同体の中心ではなく、一部である自覚を持つこと。

    謙虚さを持ち「共同体と共に生きる」って感じだな。

    人間の幸せは共同体の中に居場所を見出すことよ。

    その共同体自体を生み出す能力があれば、いつでもどこでも幸せに暮らしていけるわ。

    たしかにな。そんな人っているよな。

    その人がいるところに、自然と人が集まる、みたいな。

    そうそう、どこに行っても受け入れてもらえて、仲間を作れるような人ね。

    アドラー心理学はそんな人を目指す思想なのよ。

    主語が変わるほど貢献する

    すでにある共同体に頼らなくても、自分で作り出せるとしたら最強だよな。

    いつでもどこでも居場所に困らない。

    愛のタスクを乗り越えれば、そんな人になれるんだな?

    その通りね。まずは他人を愛することから始めるのよ。

    「愛する」ってのは、具体的にはどんな行動なんだ?

    なんだかふわっとした話に聞こえるんだが‥‥

    そこは難しい問題ね。
    愛のかたちはひとそれぞれだからね。
    本の中でも、ハッキリとは書かれていないわ。

    でも「愛する」という行為が、新しい共同体を作り出し、自立に繋がるものだとしたら答えはひとつよ。

    なんだよ、答えって。

    見返りを求めず、他人に貢献する。

    いわゆる「他者貢献」というやつね。

    これが「愛する」という行為だと思えばいいわ。

    ‥‥愛するとは貢献すること‥‥??

    「嫌われる勇気」の解説の時に詳しくやったわね。

    アドラー心理学で、最終的に目指す行動が他者貢献だったわ。

    共同体の中に居場所を感じるのが共同体感覚だったよな。

    その中でも特に重要なのが他者貢献
    見返りを求めず、他人の役に立つ。

    生き方に迷ったらこれをやっとけって言ってたんだぜ。

    アドラー心理学の「導きの星」ね。

    最終的には他者貢献を目指して生きればいいのよ。

    その導きの星が愛だってのか?

    そうね。本の中でも書かれてるけど、愛とは純粋に「与える行為」なの。

    前回話した「交友のタスク」も与える行為だったわ。

    相手の幸せを願い、相手らしい人生を応援する。

    そして仲間になれるよう働きかける。

    ある意味、交友も愛ってことね。

    でも「愛のタスク」で求められる愛は、さらにもう一歩踏み込まなきゃいけないのよ。

    交友での与える行為よりも、さらにもう一歩踏み込む‥‥??

    仕事・交友・愛。

    この3つのタスクは、それぞれ対人関係の距離と深さが違っていて、それぞれにふさわしい「主語」があるわ。

    仕事は自分優先だから「わたし」の人生になる。

    交友は相手優先だから「あなた」ね。

    愛は自分も相手も主役の人生。
    つまり「わたしたち」が主語になる。

    仕事はわたしの人生。
    交友はあなたの人生。
    愛はわたしたちの人生を生きる‥‥

    そう。人生のタスクを進めて行くと、他者貢献の度合いも上がっていく。

    それと同時に共同体感覚も強くなる。

    共同体に真剣に貢献していくことで、仕事レベルだった貢献感が交友レベルになる。

    さらに深く踏み込めば、愛のレベルに到達する。

    ‥‥なるほど‥‥
    職場とか友達とか恋人とか、そんな枠組みに囚われちゃだめなんだな‥‥

    他者貢献に向き合う、真剣さの度合いでタスクが進んでいく‥‥

    そう、その通りよ。

    わかりやすいように恋愛で話を進めてきたけど、愛のタスクの本質はそうじゃないわ。

    恋人がいるかどうかが問題ではない。

    人生の主語が「わたしたち」に変わるくらい、真剣に相手の人生の役に立とうとする。

    そして自分も相手も消えてなくなり、

    「わたしたち」での人生を開始する。

    ここまで来てやっと、新しい共同体を作り上げることができるわ。

    「自立」を果たすことができるのよ。

    ‥‥ふむ‥‥
    なかなか難しいタスクだぜ。

    この人と幸せになるんだって決意する

    見返りを求めず真剣に貢献する

    相手が応えてくれたら「わたしたち」という新しい共同体が生まれる

    それと同時に、新しい居場所ができる

    その新しい「居場所」は自分で作り上げたものよ。

    いわば自分専用の特等席ね。

    これ以上、幸せを感じられる居場所はないはずよ。

    相手を決めて、主語が変わっちゃうくらい貢献するのよ。

    ひとことでまとめると簡単でしょ?

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    今日のまとめ

    幸せになる勇気の締め括りとして、愛のタスクを解説したけどどうだった?

    難しいけど大事な行動だよな。

    他人を愛して自立する
    そして大人になる


    意識して周りを見渡したら、愛されたいと思う人ばかりな気がするぜ。

    わたしも含めてだけどな。

    そうね。子供の頃のライフスタイルを、大人になっても引きずってる人は大勢いるわね。

    愛のタスクを乗り越えれば、新たな居場所が見つかるし、やっと大人になることができるわよ。

    でも難しい行動だよな。

    いろんな問題を覚悟して相手を選ぶ。
    見返りを求めず真剣に貢献する。

    この人と幸せになるんだ! って決断するのもそうなんだけど、 やっぱり一番難しいのは見返りを求めず他人に貢献することだわ。

    そもそも自分が幸せじゃなかったら、相手に「与える行為」が全て自己犠牲になっちゃって続かないからね。

    愛とは、純粋に与える行為だったな。

    何か物をあげることに限らず、相手を助けたり、知らない事を教えたり‥‥

    とにかく相手の役に立とうとする。

    それを見返りを期待せずにやるんだから、精神的に余裕のある人じゃないと無理なんだぜ。

    今日までに話した、いろんな行動が必要になるわね。

    嫌われる勇気・幸せになる勇気のまとめ動画

    課題の分離・共感・尊敬・信頼‥‥

    「嫌われる勇気」の内容から、共同体感覚の知識も引っ張り出したいわね。

    仕事・交友のタスクも乗り越えとかないとね。

    そこをおろそかにすると、見返りを求めない愛までたどり着かないわ。

    まぁとにかく自分の幸せからだよな。

    最低限の生活はコントロールできるようになって、それから他人を尊敬していくんだぜ。

    そうそう、仕事・交友・愛の順番で、少しずつ乗り越えて大人になっていけばいいのよ。

    気付いた時には幸せになってるわよ。

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