嫌われる勇気の徹底解説④対人関係が悩みを生む◇劣等感は主観的な思い込み

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    今日のテーマ

    劣等感を理解する

    目次

    第二夜・劣等感

    さぁ、嫌われる勇気の徹底解説も、いよいよ第二夜の内容に入るわね。

    第二夜はどんな内容なんだ?

    おおまかに言うと「劣等感」にまつわる話が展開されるわ。

    劣等感には良い面・悪い面があって、そのしくみの解説のあとに、悪い面に陥らないための行動が示されるって感じね。

    ふむ。要するに劣等感との向き合い方みたいな話か?

    そうそう。
    劣等感とうまく向き合って、成長して、 人生を良くしていく話よ。

    今日はその中でも、特に興味深い内容を解説するわね。

    んん? どんな内容だ?

    すべての悩みは対人関係の悩みである

    つまり、魔理沙のすべての悩みには、必ず他人が関係している。

    それは衝撃的だな。
    わたしが人間関係にしか悩んでない、単細胞だって言いたいのか?

    まぁ反発されるのはわかってたわ。

    2種類ある劣等感という大事な話と絡めて、詳しく解説していくわよ。

    すべての悩みは対人関係?

    わたしの悩みには、必ず他人が関係しているなんて、いまいち納得できない話だな。

    体形とか恋愛とかの悩みなら、他人を意識してるかも知れないが、たとえば健康の悩みはどうなんだ?

    「足が痛くて動けない」

    これは自分だけの悩みじゃないか?
    自分の痛みに他人は関係ないぜ。

    他人がいない世界なんて、想像しにくいけど頑張ってみましょうよ。

    「足が痛くて動けない」

    この状態をマイナスに捉えてしまうのは、自由に動ける他人と比べているからよ。

    もしこの世に自分しかいなかったら、動けない状態は、 ただ動けないだけであって、

    そのことが「良い」か「悪い」かなんて判断しようがないの。

    痛い・動けない‥‥
    眠れない・食べられない‥‥

    自分しかいない世界だったら、そういうものなんだなって思うだけよ。

    無意識に他人と比べてるから、不幸だの劣ってるだのとマイナスに感じて、それが続くと悩みになっちゃうのね。

    ふむ‥‥‥

    たしかに、「足が痛くて動けない」っていう状態を、悪いって思わなかったら悩んだりしないな‥‥

    悪い状態だって思うのは、動ける他人と比べているから‥‥

    そう。
    心のどこかで他人と比べている。

    年収も、家庭環境も、友人の数も。
    理想の自分とのギャップでさえもね。

    悩むことはすべて、他人の影響を受けているわ。

    なるほどな‥‥

    他人って言っても、身近な~~さんの話じゃないんだな。

    もっと大きな「他人」という括りで考えた方がいいな。

    その通りね。もちろん特定の誰かと比べる悩みもあるけど、もっと広く他人を捉えて欲しいわ。

    「みんな」っていう言葉をよく使うけど、あのイメージね。

    頭の中でみんなって呼んでる存在。

    「みんな私より金持ちだ」
    「みんな私より自由だ」


    こんなふうに考える時の「みんな」って、特定の誰かを指すんじゃなくて、他人を一般化してない?

    そうだな。みんなって曖昧だぜ。
    数は多いがごちゃまぜな感じだ。

    魔理沙はいつも、頭の中のみんなと自分を比べてるのよ。

    そして自分の価値を判断している。

    そのみんなのイメージは、実生活や、本やネット・テレビなどから入ってくる、たくさんの他人のイメージから出来ているの。

    ふむ‥‥ わたしの悩みには必ず他人が関係している‥‥

    なんとなくわかってきたな。

    わたしは無意識に他人と比べちゃってて、それで劣ってたり負けてたりすると、自分の価値が低いと感じて悩んじゃうんだな。

    そう。それが劣等感というものよ。

    他人と比べて、自分の価値が低いように感じるのが劣等感ね。

    んん? 劣等感??
    悩みの話をしてたんだぜ。

    悩みと劣等感は同じものなの。
    劣ってるから悩むんだからね。

    ‥‥そうか。他人より優れたり、勝ったりしてたら悩まないか。

    悩みイコール劣等感。

    どちらも、自分と他人を比較した結果生まれるものよ。

    劣ってたり負けてたりする感覚ね。

    ここからは劣等感に統一するわ。

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    劣等感は単なる思い込み

    魔理沙はどんな劣等感を持ってる?

    ええ? イヤな質問だな。

    年収が低いこと‥‥
    お尻が大きいこと‥‥

    教えてくれてありがとう。
    魔理沙はお尻が大きかったのね、知らなかったわ。

    うまく誤魔化してるからな。

    服を選ぶにも、選択肢が限られるからイヤなんだぜ。

    もっとスタイルが良かったら、着たい服が着られるし、自分に自信が持てそうな気がするんだがな。

    でもお尻が大きい人って、ガリガリな人と比べたら、一般的には女性らしい体形だと見られるわよね?

    ウエストが細く見えるし、健康的にも見えるわ。

    ふふ、霊夢。 わかってるだろ。
    そんなフォローをされたって、わたしの劣等感はびくともしないんだ。

    イヤなものはイヤなんだ。

    まぁそうでしょうね。
    でもちょっと考えて欲しいのは、それを逆に捉える人もいるってことよ。

    お尻の大きい人が全員、魔理沙のように劣等感を感じてるわけじゃない。

    むしろ自分の魅力として、プラスに捉えてる人もいるわ。

    そりゃそうだろうな。
    感じ方は人それぞれだ。

    年収にしても同じね。
    同じ金額であっても、満足する人と不満を持つ人に分かれるわ。

    ここで覚えておいて欲しいのは、劣等感は主観的なものだってことなの。

    「大きさが何センチ」とか、
    「金額がいくらか」っていう、
    客観的な事実が問題なんじゃないわ。

    良いと取るか悪いと取るか。
    高いと取るか低いと取るか。

    そういう「解釈の仕方」しだいで、劣等感が生まれたり生まれなかったりするのよ。

    ふむ。 まぁわかるぜ。
    年収の金額じゃなくて、その金額を「どう思うか」が問題なんだよな?

    そうそう。
    劣等感ってのは、変えられない事実から生まれるんじゃなくて、解釈の仕方から生まれるだけなのよ。

    つまり劣等感は、変えたり弱めたり出来るってわけね。

    やり方は第二夜の後の方で話すわ。

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    成長できない2つの心理

    ここまでは劣等感がどんなものかを解説してきたけど、ここから先はもう一歩踏み込むわよ。

    人間の成長を邪魔してしまう、2つの心理を紹介するわ。

    成長を邪魔する心理?
    それは劣等感と関係あるのか?

    大ありよ。人間を成長させるのは劣等感なんだからね。

    例えば赤ちゃんの場合ね。

    人間の赤ちゃんって、ひとりでは何も出来ない状態で生まれてくるわよね?

    周りの大人に頼らないといけない。

    そりゃ当然だな。

    周りの大人たちを見ると、好きな時に好きなものを食べて、好きなようにしゃべって楽しそうにしている。

    あんなふうにしたい。
    けど、できない。


    人間は生まれた瞬間から、劣等感まみれで生きるのよ。

    最初は周りの大人と比べて劣等感を感じるんだな。

    その通り。 そして、そんな無力な状態から、なんとか抜け出したいと願う欲求のことを、アドラー心理学では
    「優越性の追求」と呼ぶわ。

    優越性の追求か。これは言葉通りの意味で受け取ればいいのか?

    そうね。「今より向上したい」
    「理想の自分に近づきたい」

    そんな前向きな欲求のことね。

    大人になってからも、他人と自分を比較して、 劣等感を抱いて、それを優越性の追求をして解消しようとする。

    ふむ、特に問題はないよな。
    自分の足りない部分を、努力して補うって感じだぜ。

    ここまではいいのよ。
    劣等感は誰もが持っていて、使い方を間違えなければ成長できる。

    でもね、そんなに何でもうまくいかないのが人生よね。

    どんなに頑張っても勝てない相手や、努力しても乗り越えられない問題ってのは、たくさん出てくるはずよ。

    そうだなぁ。 なんでも努力して達成できていたら、わたしは今ごろNASAで働いてるだろうな。

    ふふ、そうなのね。
    魔理沙が今NASAにいないのは、どこかで何かを諦めたからじゃない?

    そうなんだろうな。
    いつかは分からないが、夢はいつの間にか消えてしまってたぜ。

    劣等感にまつわる問題が起きるのは、優越性の追求が出来なくなった時よ。

    魔理沙が宇宙への探求心を失ってしまったように、努力して前へ進む勇気がくじかれた時‥‥

    どうせ自分なんて‥‥
    どうせ頑張ったところで‥‥


    そんな思いに支配されてしまう。

    頑張っても無理な状態が続いたらな、諦めても仕方ないんだぜ。

    今魔理沙が言ってくれたように、諦めても仕方ないと思うために、ほとんどの人が使ってしまう言葉があるわね。

    諦めてしまう自分を正当化するために、どうしても使ってしまう言葉。

    なんだよ、それ。

    言い訳よ。
    努力から逃げる時に、多くの人は言い訳をして逃げようとするわ。

    年収が低いという劣等感を持っていたら、それを学歴のせいにしたり、家庭環境のせいにしたり‥‥

    学歴が低いから仕方ない。
    家庭環境が悪かったから仕方ない。


    そんな言い訳をして努力から逃げる。

    いや、それはちょっと言い過ぎだぜ。
    学歴や家庭環境は、場合によっては年収に大きく影響すると思うぞ。

    影響はあるかもしれない。
    でも年収を決める要因は様々よ。

    学歴や、家庭環境だけで決まってしまうわけじゃないわ。

    学歴が低くても、 家庭環境が悪くても、成功した人なんて沢山いるわ。

    まぁそりゃそうだがな‥‥

    劣等感を持つことに耐えられなくなると、努力して乗り越える勇気がくじかれて、言い訳をして逃げてしまう。

    そんなふうに、人間の成長を邪魔してしまう心理を、アドラー心理学では
    「劣等コンプレックス」と呼ぶわ。

    劣等コンプレックスか。
    はじめて聞く用語だな。

    簡単に言ってしまえば、言い訳して努力から逃げちゃう心理よ。

    ‥‥たしかに、頑張っても報われない状態が続いたら、わたしも言い訳して逃げてる気がするぜ。

    実はわたしもそうなんだけどね。
    出来ない理由を探しちゃうわね。

    慣れてないから出来ない。
    苦手分野だから出来ない。
    時間が無いから出来ない。

    あーーー
    わたしもそんな感じで言い訳するぜ。

    ‥‥なるほどな‥‥

    出来ない理由なんて、屁理屈でどうとでも作れるんだな。

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    自慢する人は劣等感を感じている

    劣等コンプレックスは、出来ない理由を探して、それを言い訳にして逃げる心理ね。

    それとは別に、成長を邪魔する心理がもうひとつあるの。

    そういえば2つあるって言ってたな。

    その2つ目は、劣等コンプレックスとは逆の「優越コンプレックス」 と呼ばれる心理よ。

    これは逃げるんじゃなくて、逆に強がる心理なの。

    出来るフリをして、他人をだまそうとする心理ね。

    出来るフリをする?
    どういうことだ?

    たとえば「年収」に劣等感を持つ人が、その状況に耐えられなくなったとするわね。

    努力しても報われない。
    言い訳して逃げるのもイヤだ。
    かといって、
    そんな年収でいる自分も許せない。


    そんな八方ふさがりの状況で、選ばれてしまうのが強がるという選択肢ね。

    無理して高い車や家を買って、年収が高いフリをして他人をだます。

    なるほど。強がって他人をだます‥‥
    そんな人っているんだぜ。

    明らかに無理してるのに、本人はその気満々、みたいな。

    ウソに付き合わないといけないから疲れるのよね。

    自慢話ばっかりする人も、軽い優越コンプレックスに陥ってると言えるわ。

    本当に自信があったら、アピールする必要なんてないはずよ。

    自分を良く見せる話を、聞かれてもいないのにしつこくするのは劣等感の裏返しね。

    劣等コンプレックスに陥って逃げる。
    優越コンプレックスに陥って強がる。


    どっちの道を選んでも、成長はできないって話なんだな。

    その通りよ。
    劣等感と向き合って、優越性の追求をしないと成長はできないの。

    今日のまとめ

    今日は悩みと劣等感について話したけど理解できた?

    まぁな。
    「すべての悩みは対人関係」って聞いた時は、半信半疑だったけどな。

    でもたしかに、他人と比べなかったら、
    自分が「良い」のか「悪い」のか、判断つかないなって思ったぜ。

    心のどこかで他人と比べていて、自分の方が悪いとか、負けてるとか、マイナスに感じるから悩んじゃうんだな。

    そうね。人間は他人を意識した時に、無意識に比べちゃって、自分の価値を判断してしまう。

    その時の自分の価値が低かったら、悩みや劣等感が生まれるってわけね。

    劣等感を持つのは問題ないよな?

    成長するために必要な優越性の追求につながるんだから。

    問題は心が折れた時だな。

    努力しても報われず、前に進む勇気がくじかれてしまった時。

    その通りよ。
    劣等感はうまく扱えば成長できるわ。

    でも前向きに努力する勇気が尽きた時、2つの成長できない心理が待ち構えている。

    劣等コンプレックスと優越コンプレックスだな。

    簡単に言うなら、逃げる心理と強がる心理って感じか。

    そうそう。
    言い訳して努力から逃げる心理。
    優れたフリをして強がる心理。


    どちらにも共通してるのは、
    「成長できない」ってことね。

    なるほどだぜ。劣等感とはうまく向き合わないといけないんだな。

    そう、それは間違いないわ。
    劣等感の扱いしだいで、魔理沙の人生は大きく変わってしまうのよ。

    次回は第二夜の続きとして、他人と競争することの問題点を解説する予定よ。

    今日ほどは専門用語が出てこないからわかりやすいかもね。

    それは助かるな。
    なるべくわかりやすく頼むんだぜ。

    次回に進む

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